レポート株式会社布谷

2000/11/09

TDB企業コード:580104231 大阪府大阪市浪速区   負債78億4500万円

(株)布谷(資本金2億円、大阪府大阪市浪速区難波中2-2-21、布谷勇之社長、従業員120人)は、11月9日、大阪地裁へ自己破産を申請した。
 申請代理人は前川宗夫弁護士(大阪市北区梅田1-1-3、電話06-6347-1501)。
同社は、戦前、大阪市西区において「布谷陳列所」の屋号でタバコ小売店用陳列ケースの製造販売を目的に創業。戦時中の一時中断の後、1946年(昭和21年)に再開し、49年(昭和24年)4月に(株)布谷陳列製作所の商号で法人改組、73年4月に現商号へ変更した。大手・中堅スーパーや量販店を中心に、専門店や中小商店を得意先とする店舗総合企画・設計・施工業者で、内装工事を中心に、一部で建築工事、不動産仲介・同コンサルタント業務も手がけていた。大阪、東京の2本社体制で、全国各地に支店や営業所を開設し、一時期はアメリカやフランスにも現地法人を設立、ピーク時の90年6月期には年売上高約224億5200万円を計上していた。
 しかし、バブル経済崩壊後は工事受注が低迷し、99年同期の年売上高は約88億3800万円にまで落ち込んでいたうえ、利幅の確保が難しく、同業者間の競争も激化していたことから大幅な経常損失を計上していた。この間、海外子会社の整理や地方営業所の閉鎖、人員削減などのリストラに加え、社有不動産の売却による益出しなどでしのいでいたが、業績低下に歯止めがかからず、2000年同期に至っては年売上高約65億8800万円に対し、過年度の損失一掃による特別損失計上から約13億4100万円の当期損失を余儀なくされていた。こうしたなか、今年9月末の決済資金融資を条件に、主力行に9月・10月末回収予定の売掛金の債権譲渡をおこなったことから信用不安が拡大、この影響から10月末には現金の支払遅延が発生し、ついに支え切れず今回の措置となった。
 負債は、約78億4500万円。