レポート株式会社三貴

2009/01/21

TDB企業コード:981128721 東京都千代田区 宝石貴金属小売 民事再生法の適用を申請 負債120億円

「東京」 (株)三貴(資本金9000万円、千代田区神田神保町3-29-1、登記面=文京区向丘1-16-24、代表木村和巨氏、従業員130名)は、1月21日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は金森仁弁護士(千代田区永田町2-14-2、電話03-3581-9491)ほか1名。監督委員は川島英明弁護士(千代田区神田駿河台3-3、電話03-3296-1691)が選任されている。

 当社の前身は、1965年(昭和40年)4月に設立。「銀座じゅわいよ・くちゅーるマキ」および「銀座ジュエリーマキ」の名称で宝飾品小売り店舗を積極的に展開、ピーク時の店舗数は計1200店(アパレル部門を含む)を超えていた。TV等の広告戦略で急成長を遂げ、95年2月期には年売上高約1853億3300万円をあげるなど、国内最大手の宝石・貴金属小売業者として高い知名度を確立していた。

 しかし、90年代後半から売り上げはジリ貧となり、また店舗設備投資や過大な在庫負担から金融債務は大きく、ピーク時には約1500億円もの借入金を抱えていたうえ、メーン銀行が経営破綻したため借入金が整理回収銀行(当時)に譲渡されていた。こうしたなか再建策として、本業の営業権を別会社に譲渡したうえで、従前の金融債務を旧会社に残して清算する再建スキームを策定。2001年3月に商号を(株)エムアンドアールエステートに変更し、営業権を受け皿会社((株)三貴(東京都豊島区)=休眠会社を商号変更)に譲渡したうえ、資産売却などを経て2002年10月に東京地裁より特別清算の開始決定を受けていた。

 事業譲渡を受けた(株)三貴は、「じゅわいよ・くちゅーるマキ」「ジュエリーマキ」「ビジュ・イル・エル」など5つのブランドで店舗展開し、2004年2月期には年売上高約244億9400万円をあげていた。ところが、不採算店舗の閉鎖や個人消費の低迷に販売価格の低下、また信販会社の与信厳格化の影響もあり、2008年8月期(決算期変更)の年売上高は約205億3100万円に落ち込んでいた。その後も、景気の急減速に伴い売り上げ不振に歯止めがかからず、今回の措置となった。

 負債は約120億円。