レポート

株式会社エバテック

2008/11/25

TDB企業コード:500275491 京都府久世郡 半導体製造装置製造 民事再生法の適用を申請 負債48億円

「京都」 (株)エバテック(資本金5億8077万5000円、久世郡久御山町森小字大内188、代表井野英二氏、従業員90名)は、11月25日に京都地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は崔勝弁護士(大阪市北区西天満5-1-9 南森町東洋ビル9階、ミネルヴァ法律事務所、電話06-4709-1233)ほか1名。

 当社は、1987年(昭和62年)3月に設立した半導体製造装置の製造業者で、フラットパネルディスプレイ(PDP)用関連装置を主体に、ガラス用着色装置などを手がけていた。97年10月に現所に本社を移転、2005年1月に技術棟や第2工場を、2007年11月には約7億円をかけて本社工場に太陽電池研究開発センターを開設。この間、2006年2月に台湾支店を開設したことから、中国・台湾向けの輸出が伸び、輸出が売り上げの80%以上を占めていた。また、2000年3月に採算性の低い真空蒸着皮膜加工業務から撤退した一方、近年は太陽電池設備の開発にも着手し、受注の安定化を図っていた。

 台湾・中国からの受注が堅調だった2004年8月期は年売上高約61億5700万円をあげ、その後も海外での受注を伸ばしていたものの、2007年8月期の年売上高は前期比62.9%減の約19億2000万円にとどまり、大幅な減収で固定経費の増加や販管費を吸収できず、不良債権の償却もあって当期損失約3億9400万円を計上し、繰越損失約11億4100万円を抱え債務超過に転落。その後は中国での製造プラントなど数件の大口受注を得て増収基調にあったものの、回収の長期化や旺盛な資金需要で資金繰りが多忙化するなか、2008年9月に中国企業から受注した太陽電池製造装置の資金回収で一部遅延が発生したことで決済不能に陥り、一部手形のジャンプ要請を行ったが奏功せず自主再建を断念した。

 申請時の負債は約48億円。