レポート

株式会社北野組

2008/07/22

TDB企業コード:050012654 北海道旭川市 土木建築工事 旭山動物園施工業者 破産手続き開始決定受ける 負債125億3100万円

「北海道」 (株)北野組(資本金11億3700万円、旭川市宮下通9-766、代表菅原久廣氏ほか1名、従業員105名)は、7月22日に旭川地裁へ自己破産を申請、同日、破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は千葉健夫弁護士(旭川市末広4条6-7-8、電話0166-73-4477)。債権届け出期間は9月22日までで、財産状況報告集会期日は11月13日午後1時30分。

 当社は、1921年(大正10年)創業、46年(昭和21年)12月に法人改組された土木建築工事業者。道北管内の建設業者ではトップの売上規模を誇り、主力となる建築部門ではマンション・旭山動物園など公共施設・ビル・ホテルなどの大型物件を中心に受注し、土木部門では橋梁工事のほか、道路改良・河川改修など官公庁元請受注を主体とし、また本州方面を中心に不動産売買も手がけ、ピーク時の97年3月期の年売上高は約199億8300万円を計上していた。

 しかし、公共工事の減少や民間設備投資の落ち込みに加え、同業他社との競合激化から受注は減少。この間、2005年3月期には不動産売却や減損処理で不動産リスクを一掃したことから大幅な赤字計上を強いられていた。また、2008年3月期の年売上高は約153億円にとどまる一方、不採算工事の受注や工事未収金の引当金計上などから収益は悪化、当期純損失は約11億2200万円を計上していた。

 こうしたなか、以前請け負っていた知床のホテル建築において未収金の発生から係争に発展していたほか、借り入れ負担も高水準で推移していたことから資金繰りに余裕はなくなっていた。さらに、建設業界を取り巻く環境は悪化し前期からの繰越工事が半減、業況悪化に歯止めがかからず、先行きの見通しが立たなくなり今回の措置となった。
 なお、関連会社の太陽舗道(株)(資本金4000万円、同所、代表松原功氏ほか1名)、旭川合材(株)(資本金5000万円、 同所、代表原田信吾氏)も(株)北野組に連鎖する形で、同日、旭川地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 負債は、(株)北野組が約118億8040万円、太陽舗道(株)が約15億4441万円、旭川合材(株)が約6億8714万円で、3社合計約141億1195万円。