レポート株式会社中村

2007/05/07

TDB企業コード:581207153 奈良県香芝市 トンネル掘削工事 破産手続き開始決定受ける 負債41億円

「奈良」 (株)中村(資本金5000万円、香芝市鎌田350-1、代表中村能久氏、従業員33人)は、5月7日に奈良地裁葛城支部へ自己破産を申請し、同日同支部より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は、藤井茂久弁護士(天理市川原城町630東川ビル203、電話0743-62-7787)。

 当社は、1970年(昭和45年)3月に設立して休眠状態にあった企業を買収し、83年(昭和58年)4月に現商号へ変更した。以降、大阪市内を本店として防水シートをはじめとする土木資材の販売を主業としてきたが、97年からはトンネル掘削工事業に進出。近年はトンネル関連工事(95%)を主体に、一部下水管工事や耐震工事などを手がけ、名古屋、東京、岐阜、福岡に営業拠点を設置して業容を拡大させるなど、2002年9月期の年売上高は約44億3300万円を計上していた。

 しかし、業容拡大に伴う運転資金を金融機関からの借入金や取引先からの支援に依存するほか、2002年7月に民事再生法を申請した大日本土木(株)(岐阜県)に約1億2000万円の不良債権が発生するなど、余裕の無い資金繰りを強いられていた。

 また、2006年には当社工事現場で死亡事故が発生し、一時的な営業停止に加え補償問題を抱えたこともあり、2006年9月期は年売上高約32億8500万円に対して約9億7500万円の大幅損失を計上。これに合わせ、営業所の統廃合などのリストラを進めてきたが、2007年に入ると一部取引先への支払遅延が表面化する事態に陥り、先行き見通し難から今回の措置となった。

 負債は金融債務を中心に約41億円(債権者約235名)が見込まれる。