レポート

飛栄産業株式会社ほか2社

2000/08/14

TDB企業コード:985713040 東京都千代田区 不動産賃貸、管理 特別清算申請 負債6500億円

飛栄産業(株)(資本金20億円、東京都千代田区三番町1、飛嶋奏社長)とグループ会社の飛栄建物(株)(資本金1億円、同所、同社長)、飛栄ファイナンス・サービス(株)(資本金4億円、同所、同社長)の計3社は、5月19日開催の定時株主総会で5月31日付での解散を決議していたが、8月11日に東京地裁へ特別清算を申請した。
飛栄産業(株)は、 1964年(昭和39年)3月、東証1部上場ゼネコンの飛島建設(株)が出資する形で設立。同社のデベロッパー事業の一端を担う形で、マンションやビルの建設分譲、および土地建物売買、賃貸管理、企画コンサルタントなどをおこなっていた。
その後、バブル経済の到来にともなう不動産取得ブームや、金融機関やノンバンクなどからの積極的な資金調達により業容は急拡大し、84年3月期には年売上高が約1086億4100万円まで伸長していた。またこの間、相次いでグループ会社を設立し、当社を中核として「飛栄グループ」を形成していた。
しかし、バブル崩壊後は不動産市況の悪化に見舞われ一気に経営不振に陥り、94年同期の年売上高は約318億4200万円まで低迷。加えて、これまでの積極的な不動産取得に対する過大な借り入れが重荷となり、約646億1900万円の当期欠損を計上、大幅な債務超過に陥っていた。
このため、この間の91年9月には富士、安田信託、三菱信託の3行より顧問団を迎え入れ、取引金融機関の実質管理下となる一方、100人規模の希望退職募集や本社ビルの売却などリストラを進めていた。また、近年は新規開発、分譲は一切おこなわず業容を縮小。手持物件の売却を中心に不動産賃貸、管理業務のみの営業をおこなっていた。さらに、親会社だった飛島建設(株)も同事業からの撤退、出資関係の解消を進め、その一方でグループの1社の(株)飛栄が筆頭株主となっていた。
しかし、業容縮小にともなって99年同期の年売上高は約100億円にとどまり、物件の売却損などにより8期連続して当期欠損を計上。債務超過額は約4800億円に達し、今期に入っても債務超過解消の目処が立たないことから、ついに事業継続を断念、今回の措置となった。
また、グループ処理の一環として、不動産保有、売買の飛栄建物(株)、金融業の飛栄ファイナンス・サービス(株)の2社も、8月11日付で東京地裁へ特別清算を申請した。
負債は飛栄産業(株)が約4500億円、飛栄建物(株)と飛栄ファイナンス・サービス(株)が2社合計で約2000億円で、3社合計では約6500億円。
飛栄産業(株)はリゾート開発の(株)イ・アイ・イーインターナショナル(負債4764億円、東京都、6月破産)に次いで今年6番目の大型倒産となった。
 なお、飛島建設では「88年よりグループ関係は解消しており、残っている債権1億2400万円も全額引当済みで、当社の業績には影響はない」とコメントしている。