レポート

奈良佐川急便株式会社

2006/04/12

TDB企業コード:510211808 奈良県磯城郡 一般貨物自動車運送 破産開始と同時に、廃止決定受ける 負債30億円

「奈良」 奈良佐川急便(株)(資本金2500万円 奈良市西九条町2-5-10、代表清算人平井慶一氏)は、3月6日に奈良地裁へ自己破産を申請し、同月9日に同地裁より破産手続き開始決定を受けると同時に廃止決定を受けていたことが判明した。

 当社は、1993年(平成5年)2月に設立された一般貨物自動車運送業者。もともと76年(昭和51年)に佐川急便グループが奈良県へ進出した際に受託していた地元の貨物運送業者より営業権を譲り受けてスタートし、県下の有力企業などを得意先に、コンスタントに受注を確保し、ピーク時の97年3月期には年収入高約60億6800万円を計上していた。

 しかし、採算面では苦戦を強いられ、資金繰りを佐川急便(株)(京都市)からの借り入れでしのいでいたなか、2001年3月に奈良県警の一部警察官との間の贈収賄事件がマスコミで報じられ、対外信用が大きく失墜。

 このため、佐川急便(株)が直営の営業所を設置し、当社は清算することとなり、2001年9月開催の臨時株主総会で解散を決議していた。

 債権者が佐川急便をはじめとする数社と限定的であったことから、特別清算による清算手続きを検討していたが、弁済に関する調整が難航し、裁判所との協議の結果、破産手続きによる処理となった。

 負債は約30億円の見込み。