レポート多田建設株式会社

2005/08/31

TDB企業コード:985371506 東京都江東区 綜合建設業 更生手続き開始決定受ける

「東京」 1997年7月に東京地裁へ会社更生法の適用を申請、今年3月に更生手続き終結決定を受けていた、中堅ゼネコン(総合建設業)の多田建設(株)(資本金10億円、江東区大島2-8-6、代表四宮隆氏、従業員383人)は、7月11日に債権者である従業員から東京地裁へ会社更生法を申し立てられていたが、8月31日に同地裁より更生手続き開始決定を受けた。

 管財人には保全管理人の内田実弁護士(港区虎ノ門1-16-4、電話03-3502-6294)が選任されている。

 当社は、1947年(昭和22年)6月に設立され、(株)多田組を経て48年8月に現商号へ変更した。63年に東証2部、88年に東証1部へ株式を上場、民間建築工事主体の中堅ゼネコンとして、92年3月期には年売上高約1301億6500万円をあげていた。

 しかし、バブル崩壊により多額の不良債権を抱え業況は悪化、回収の長期化、保証債務、多額の有利子負債などの問題から、97年7月に負債約1714億円を抱え、東京地裁へ会社更生法の適用を申請していた。

 その後、大旺建設(株)(高知県)がスポンサーとなり同社の傘下で再建を図り、2000年12月に更生計画の認可決定を受け、債権者へ繰り上げ弁済を実施していた。今年3月には全更生債権の86%相当額の弁済を終えたことで、「更生計画の遂行が確実である」として東京地裁より更生手続きの終結決定を受けていた。

 こうしたなか、7月に「大旺建設(株)は銀行から融資を受けるため当社に債務保証をさせるなど、今後、当社の財務内容を急速に悪化させる懸念が生じる」として、多田建設(株)の従業員側が会社更生法を申請していた。

 これに対して、大旺建設(株)側は「豊富な手元資金等を考慮すれば、更生手続き開始の申し立て要件を欠いている」と主張。保全管理命令等の取り下げを要求し、東京高裁へ即時抗告をするなど動向が注目されていた。