レポート上松商事株式会社など2社

2005/02/28

TDB企業コード:570063117 大阪府岸和田市 合板輸入販売 事業停止、自己破産申請へ 負債300億円

「大阪」 上松商事(株)(資本金2000万円、岸和田市木材町13-2、登記面=岸和田市上松町358-264、代表間﨑清志氏)と、関連会社のニッピンド(株)(資本金2500万円、岸和田市木材町1-2、同代表)は、2月25日付で事業停止を決定し、事後処理を奥田孝雄弁護士(大阪市北区天神橋2-北2-6、電話06-6353-6705)ほかに一任した。

 近日中に自己破産を申請する予定。

 上松商事(株)は、1897年(明治30年)6月創業、1973年(昭和48年)2月に法人改組した輸入合板の販売業者。輸入合板のパイオニア企業として、フロア台板、コンクリート型枠合板などのインドネシア合板のほか、積層合板、塗装パネルなどの二次製品を主に扱っていた。全国各地に営業所や支店を構えるほか、北海道にプレカット工場や流通センターを、87年にはインドネシア・ジャカルタに支店を設置。全国の大手建材業者向けの販売ルートを確立し、ピーク時の94年11月期には年売上高約1613億1600万円を計上していた。

 輸入建材の分野では全国でも相応の地位を確立していたが、98年にインドネシアで暴動が発生して以降は、不安定な運営を余儀なくされていた。2001年同期の年売上高は約495億9700万円に落ち込んだうえ、この間に不良債権が相次ぎ発生するなど急速に経営状況が悪化していた。このため、事業所の統廃合や所有不動産の売却で借入金を返済するとともに、2003年12月には全従業員を関係会社(株)シンタカへ移管し立て直しを図っていたが、先行きの見通しが立たなくなっていた。

 ニッピンド(株)は、1988年(昭和63年)10月に設立。インドネシア合板協会(アプキンド)加盟の現地法人約110社を仕入先に、コンクリート用パネル材など各種合板の輸入販売を手がけていた。同協会から役員を受け入れ、実質的には国内におけるインドネシア合板の価格維持及び量的規制の役割を担っていた。インドネシア産品の総輸入窓口となるなどピーク時には約60%の日本国内シェアを獲得、97年9月期には年売上高約2360億円を計上していた。

 しかし、インドネシアでの暴動発生以降は経営環境が悪化し、2000年同期の年売上高は約313億1100万円にまで減少。2000年10月に合板輸入部門を上松商事(株)に移管して以降は、資産売却による借入金の返済を進めていたが、親会社とともに先行きの見通しが立たなくなっていた。

 負債は2社合計で約300億円の見込み。