レポート

医療法人社団ますみ会

2000/06/14

TDB企業コード:987016310 東京都大田区 病院経営 民事再生手続き開始申請後、初の破産宣告 破産宣告受ける 負債45億円

4月3日に東京地裁へ民事再生手続き開始を申請し、4月10日付で同地裁より再生手続きを棄却されていた医療法人社団ますみ会(東京都大田区矢口2-28-15、安田和弘理事長、従業員165人)は、その後破産へ移行し、6月8日同地裁より破産宣告を受けた。民事再生手続き開始申請時点での負債は約45億円。
破産管財人は永島正春弁護士(千代田区丸の内3-3-1、電話03-3211-1791)。債権届け出期間は7月26日までで、債権者集会および債権調査期日は10月4日午前10時から。
同法人は、群馬県内で開業していた「渡辺外科医院」の東京診療所を分離・独立する形で、71年(昭和46年)11月に設立。その後、88年9月に「町田医院」と「京成内科医院」、86年12月に「亀有大同病院」をそれぞれ吸収し、そのうえで各病院を増改築させ業容を拡大。これにより、「町田病院」(町田市、106床)、「亀有大同病院」(葛飾区、65床)、「渡辺外科胃腸科医院」(大田区、19床)、「京成医院」(葛飾区、19床)、「グリーンタウンクリニック」(栃木県、19床)の2病院、3医院での経営となり、内科・外科・整形外科・胃腸科などの診療科目で、97年3月期には年収入高約38億8500万円をあげていた。
しかし、これまでの積極的な増改築にともない借り入れが年商規模にまで膨張。金利負担が重荷となり、毎期大幅な赤字決算に終わっていた。その後も業績に伸びは見られず、99年同期も年収入高約36億円に対し最終赤字を余儀なくされ、同期で債務超過額は約9億7000万円に達していた。
資金繰りが悪化するなか、99年5月6日には一部取引先に対する手形のジャンプ要請が不調に終わったことで、東京中央信組(荏原)で1回目不渡りが発生。またこの間、一部の病院施設に対し差押えの登記がなされるなどで、信用不安が拡大していた。
その後、取引先を集め支援を要請していたものの、債権者の足並みが揃わなかったうえ、借り入れの圧縮も進まないことから、ついに自主再建を断念。3月31日に東京地裁へ和議申請したのち、4月1日の新倒産法「民事再生法」の施行にともない、4月3日に同法へ切り換えていた。
しかし4月10日、同地裁は「再生計画案の作成および再生計画の認可の見込みがないことは明らかである」として同法人の再生手続きを棄却。これに対し同法人理事長らは、即時抗告申立書によると「医師、職員の人件費20%カットで収支バランス上は黒字となる」「当法人の経営権譲渡先の名が複数挙がっている」「現在凍結状態となっている銀行の支援も復活する可能性がある」とし、4月17日付で棄却決定の取り消しと再生手続きの開始を求める即時抗告をおこなっていたものの、5月2日に東京中央農協(矢口)で2回目不渡りを出し、5月10日付で銀行取引停止となるなか、破産へ移行していた。
なお、民事再生手続き開始を申請した後、破産へ移行したケースは初めてとなった。