レポート

学校法人東北文化学園大学

2004/06/21

TDB企業コード:100193133 宮城県仙台市青葉区 大学運営 民事再生法を申請 負債298億円

学校法人東北文化学園大学(資産総額158億5891万1852円、宮城県仙台市青葉区国見6-45-1、理事長影山光太郎氏、従業員278名)と関連法人の学校法人友愛学園(資産総額63億6175万5632円、宮城県仙台市青葉区国見6-45-16、理事長影山光太郎氏、従業員85名)は、6月21日に東京地裁へ民事再生法を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は清水直弁護士(東京都中央区八重洲2-2-12、電話03-5202-0585)ほか5名。
 
監督委員は奈良道博弁護士(東京都千代田区麹町1-6-3、電話03-3262-9000)。
 
 学校法人東北文化学園大学は、1978年(昭和53年)3月に「学校法人東北文化学園」として文部省(当時)より設置認可を得て設立された。当初は専修学校「宮城デザイン専門学校」などを運営し、90年4月には仙台市青葉区国見に新キャンパスを設置。93年4月に開校した東北初の理工系カレッジ「東北科学技術短期大学」を、97年9月に4年制大学の認可申請を経て99年4月「東北文化学園大学」(2004年4月時で在学生約2600名、医療福祉など3学部5学科)を開校し、2004年3月期には年収入高約41億4300万円を計上していた。

 また、2003年7月には岩手県久慈市にある短期大学を合併するほか、福島県郡山市に薬学部設置を計画するなど拡大路線を辿っていた。

 しかし、2004年4月に大学の設置認可申請時において、申請書類に虚偽の架空寄付金を計上していたことが発覚したほか、二重帳簿の存在や、国や仙台市への補助金虚偽申請、校舎建設を受注した大手ゼネコンへの未払金約46億円の存在が浮上するなど、信用面が著しく低下。

 4月28日には全理事16名が辞表を提出し、文部科学省が実態解明の調査に乗り出すなど混乱を極めるなか、信用不安の増大で金融機関からの資金補填が不可能となっていた。

 このような状況下、5月25日に従業員への給与約1億5000万円が遅配し、6月10日には1回目の不渡りが発生。自主再建は困難な状況に陥り、営業譲渡先を模索していたが、大阪の医療法人グループが受け入れ先となることが決定したため、今回の措置となった。

 学校法人友愛学園は、79年(昭和54年)11月に設立され、専修学校を統合・改称した「東北文化学園専門学校」や「友愛幼稚園」を運営し、東北文化学園大学グループを形成していた。
 
 負債は東北文化学園大学が約224億円、友愛学園が約74億円で、2法人合計で約298億円が見込まれる。

 なお、過去に大学を運営する学校法人が倒産した例では、78年11月に銀行取引停止となった旧・相模工業大学(神奈川県)や、78年11月に破産宣告を受けた旧・坂元学園(鹿児島県)などがあるが、民事再生法を申請したのは初めて。