レポート宝塚グランド有限会社

2003/07/01

TDB企業コード:582035920 兵庫県宝塚市 ホテル経営 破産宣告受ける 負債82億9000万円

「兵庫」 既報、「宝塚グランドホテル」を運営する、宝塚グランド(有)(資本金300万円、宝塚市栄町3-10-1、代表大島伊織氏、従業員105人)と、グループ会社で同ホテルを所有していた、(株)近畿ホテルシステム(旧商号(株)宝塚グランドホテル、資本金6934万3500円、同所、同代表)の2社は、7月1日に神戸地裁へ自己破産を申請し、同日破産宣告を受けた。

 申請代理人は渡部一郎弁護士(大阪市北区西天満4-1-4、電話06-6316-3377)。破産管財人は藤井伊久雄弁護士(神戸市中央区東川崎町1-1-3、電話078-361-2329)。

 宝塚グランド(有)は、(株)宝塚グランドホテル(現(株)近畿ホテルシステム)から「宝塚グランドホテル」の運営を譲り受けることを目的に、1999年(平成11年)12月に設立され、2001年12月期には年収入高約16億3400万円を計上していた。

 (株)近畿ホテルシステムは、1968年(昭和43年)1月に設立され、同地区最大規模の総合観光ホテル「宝塚グランドホテル」の営業を手がけていた。93年12月には約50億円を投じて、兵庫県出石郡に「出石グランドホテル」(現「時を奏でるホテル」)をオープンして事業を拡大、ピーク時の94年5月期には年収入高約34億7000万円を計上していた。

 しかし、95年の阪神大震災で「宝塚グランドホテル」が被災し、同年12月のリニューアルまで休業したことから売り上げが激減、96年同期の年収入高は約17億3300万円となり、約5億 100万円の赤字計上を余儀なくされていた。その後も個人消費の低迷、団体客の減少から売り上げが落ち込んだうえ、ホテル設備などへの過大な投資を金融機関からの借入金でまかなっていたことから金利負担が収益を圧迫し、債務超過に陥っていた。

 こうしたなか、2001年12月に「宝塚グランドホテル」の運営部門を宝塚グランド(有)に、「時を奏でるホテル」の運営を、時を奏でるホテル(有)にそれぞれ移管し、経営のスリム化を図っていたが、2002年6月に「宝塚グランドホテル」が取引銀行から競売にかけられ、2003年2月に競落。以降、立ち退きを求められる中での営業継続であったが、強制執行が7月2日に決定したことから、今回の措置に至った。

 なお、グループ会社で「時を奏でるホテル」経営の時を奏でるホテル(有)(資本金300万円、出石郡出石町福住450、代表畑中良治氏、従業員40人)は、同日同地裁へ民事再生法を申請している。

 負債は、宝塚グランド(有)が約9000万円、(株)近畿ホテルシステムが約82億円で、2社合計で約82億9000万円。時を奏でるホテル(有)の負債は約5300万円。