レポート東洋製鋼株式会社

2000/04/14

TDB企業コード:200348580 茨城県石岡市 電炉メーカー 東証2部上場の電炉メーカー 民事再生手続き開始を申請 負債59億円

東証2部上場の電炉メーカー、東洋製鋼(株)(資本金37億1799万4000円、茨城県石岡市柏原15-2、松山裕治社長、従業員115人)は、4月14日、東京地裁へ民事再生手続き開始を申請した。
申請代理人は相澤光江弁護士(港区赤坂2-17-22、電話03-5570-1234)ほか4名。
同社は、1944年(昭和19年)4月、日本精工(株)を分社する形で日出製鋼(株)として設立、その後数度の商号変更を経て70年6月、現商号に変更された。翌71年4月には東証2部へ、74年5月には大阪、名古屋の各市場2部へ上場を果たした。普通鋼・棒鋼の専門メーカーとして80年には石岡工場の第2電炉を完成させるなど業容を拡大させ、91年9月期の年売上高は約206億4800万円を計上していた。
しかし、その後は主力得意先である建設業界の需要低迷の影響を受け売り上げは低迷、94年同期の年売上高は約72億8000万円にまで落ち込んでいた。加えて、販売価格も低下したことから赤字決算を余儀なくされていた。この間、中国と製鋼の合弁会社を設立するほか、人員削減や作業工程の見直しなどコスト削減に努めていたが奏効せず、99年同期の年売上高は約49億8000万円にまで落ち込み、凍結していた中国合弁会社の整理損などにより約84億4500万円の大幅な当期損失を計上、6期連続の欠損となり苦しい運営となっていた。
このため、2000年1月には資材の共同輸送や調達などを目的として大手電炉メーカーや商社など6社共同出資による「デーバー・スチール企画」の設立参加に合意するなど立て直しに着手していたが、ついに自主再建を断念、今回の措置となった。
負債は約59億円。
なお、今年に入っての上場企業の倒産は、(株)長崎屋(2月、会社更生法、負債3039億円)、(株)エルカクエイ(2月、会社更生法、負債1351億円)に続いて3社目で、上場企業の民事再生法申請は初めて。