レポート株式会社海野工業ほか2社

2003/03/13

TDB企業コード:420102537 静岡県静岡市   全国トップクラスの解体工事業者 自己破産を申請 負債95億円

「静岡」 (株)海野工業(資本金4000万円、静岡市東新田1-1-35、代表海野一彦氏、従業員30人)と、関係会社の(株)海野建機(資本金2000万円、静岡市東新田1-16-10、代表海野とし子氏、従業員7人)は、3月12日に静岡地裁へ自己破産を申請した。

 また、同じく関係会社の(株)ウンノクリーン(資本金1700万円、静岡市東新田1-16-10、代表海野英之氏、従業員 111人)は、同日同地裁へ民事再生手続き開始を申請した。

 申請代理人は3社とも小野森男弁護士(静岡市七間町13、電話054-255-1184)。

 (株)海野工業は、1933年(昭和8年)創業、69年(昭和44年)4月に法人改組した解体工事業者。長年の業歴を背景に地元官公庁関連の大型解体工事では半ば独占的に受注を確保し、県内のほか、神奈川、愛知、東京などにも営業拠点を開設、ピーク時の98年3月期には年売上高約80億8800万円を計上するなど、解体工事業者としては全国でもトップクラスの業容を誇っていた。産業廃棄物処理事業にも進出し、解体から産廃処理まで一貫対応可能な体制を築くとともに、建設機械販売や輸入車ディーラーにも手を広げ、関連会社を設立して地元有力企業グループを形成していた。

 近年は、建設業界軟調による受注環境の悪化から、静岡県外の営業所を閉鎖して県内受注に注力していたものの、2000年7月に産廃業者の無許可運搬容疑で従業員が逮捕され、これが原因となって2001年度の産廃業の免許更新が不許可となったため、信用面が失墜していた。

 その後は、産廃処理事業のための新会社を設立し、同部門を移管して信用回復を図ってきたが、過去の不動産投資や産廃処理設備の拡充を、金融機関からの借入金に依存していたことで財務面はひっ迫。2002年同期の年売上高は産廃業務移管の影響もあり約38億7900万円にまで落ち込み、解体工事の業容縮小も重なって再建が困難となったため、営業継続を断念した。

 負債は、(株)海野工業が約46億7000万円、(株)海野建機が約5億3000万円、(株)ウンノクリーンが約43億円で、3社合計で約95億円。