レポート小樽ヒルトン株式会社

2003/01/16

TDB企業コード:060281638 北海道小樽市 ホテル経営 再生手続き開始決定受ける 負債82億円

「北海道」 小樽ヒルトン(株)(資本金20億円、小樽市築港11-3、代表中村憲正氏、従業員190人)は、1月16日に札幌地裁へ民事再生手続き開始を申請し、同日、同地裁より再生手続き開始決定を受けた。

 申請代理人は橋本昭夫弁護士(札幌市中央区北4条西20-1-28、電話011-631-2300)。

 当社は、1997年(平成9年)4月に(株)マイカル(大阪市)ほかの出資により設立され、99年7月に大型複合商業施設「マイカル小樽」の中核部分にシティリゾート感覚のホテル「ヒルトン小樽」(客室数296)をオープンした。大宴会場をメインに8つの宴会場を設置し、レセプションやパーティーなどさまざまなニーズに対処するとともに、6階には海が望めるブライダルフロアを設けるなど、マイカル小樽の中核施設として集客が期待されていた。

 有珠山の噴火の影響などから北海道への観光客数が頭打ちとなり、2000年12月期の年収入高は約26億7700万円を計上、赤字決算を余儀なくされた。2001年9月には株主である(株)マイカルと「マイカル小樽」を運営していた(株)小樽ベイシティ開発(小樽市)が民事再生法を申請((株)マイカルは会社更生法に切り替え)し、当社の先行きにも注目が集まっていた。

 客室や施設の稼働率アップに努めたものの、宿泊単価の伸び悩みや他ホテルとの集客競争は厳しく、2001年同期の年収入高は約26億3400万円にとどまり、累積損失は約15億8100万円にまで膨れ上がっていた。金融機関からの借り入れ負担も重く、赤字基調を脱することができなかった。

 負債は約82億円の見込み。