レポート

株式会社ホテルキャニオン、有限会社ホテル天亀

2000/04/03

TDB企業コード:190119077 福島県会津若松市 ホテル経営 福島・東山温泉の観光ホテル経営業者 自己破産を申請 負債51億9300万円

(株)ホテルキャニオン(資本金3500万円、福島県会津若松市東山町湯本字上原266-1、多田和司社長、従業員40人)と(有)ホテル天亀(資本金3000万円、福島県会津若松市東山町湯本字下原234、多田章恵社長、従業員25人)の2社は、ともに4月3日、福島地裁会津若松支部へ自己破産を申請した。
申請代理人は2社とも中川廣之弁護士(会津若松市東栄町2-16、電話0242-27-0157)。
(株)ホテルキャニオンは1971年(昭和46年)10月、福島県の東山温泉において観光ホテルの経営を目的に設立され、その後、「会津東山閣キャニオン」の名称でオープンした。
同ホテルは、客室数106室(収容人員570名)のほか、大小宴会場やコンベンションホール、展望大浴場、温泉プールなどを備えた当地区ではトップクラスの観光ホテルで、ピーク時には年収入高約20億4600万円を計上していた。
しかし、その後はバブル崩壊による利用客数の落ち込みや、集客力アップのための宿泊料金値下げなどから収入は減少傾向をたどり、98年12月期には年収入高が約8億7100万円とピーク時比で半減。連続欠損計上を余儀なくされ、同期で約9800万円の累損を抱えていた。
この間の95年2月には、隣接していた(有)天亀旅館(現:(有)ホテル天亀)所有の観光ホテルを買収。「アネックスシンフォニー」(収容人員350名)の名称でリニューアルオープンさせ、従業員や車両の共有化など両社一体による経営で合理化を進めていたものの、99年に入っても業績は回復せず、ホテルの改装などに対する借り入れ金利負担も重荷となったことから、ついに事業継続を断念。関係会社の(有)ホテル天亀とともに今回の措置となった。
負債は、(株)ホテルキャニオンが約24億2800万円、(有)ホテル天亀が約27億6500万円で、2社合計では約51億9300万円。