共同研究実績滋賀大学 データサイエンス学部

DEMLセンター

DEMLセンター(Data Engineering and Machine Learningセンター)は、帝国データバンクと滋賀大学の連携協定、共同研究を経て2019年7月に設立された共同研究センターです。
企業活動において機械学習を使用する場合、学習機が学習しやすいように膨大なデータを分析し、構造的な整理(研磨)や加工を行う必要があります。こうした「データの研磨※や加工」といった工程は教育現場ではあまり学ばれてこず、自主学習にゆだねられているケースが多く、データ解析の精度を高めるための教育研究の充実が急務となっています。
この課題を解決するため、膨大な企業データの研磨技術を有する帝国データバンク(TDB)と機械学習技術を有する滋賀大学が共同研究センターを設置し、企業が持つデータマネジメントの課題に取り組むとともに、そのために必要な人材育成、実際の企業データを用いた研究を行っています。
センター設立の概要は>こちら

※データ研磨:データを分析が可能な形式にするための前処理
(出典:菊川康彬「正しい分析結果を導くためのデータ前処理 -分析者に求められる正確なデータ研磨のスキル-」 情報処理60巻5号p.436-441,2019

共同研究

DEMLセンターでは企業との共同研究を行っており、現在2社が参画しています。

<参画企業>
・能勢鋼材株式会社
能勢鋼材株式会社は、ステンレス鋼材の加工から配送までを行っている企業です。分析テーマの一つである「配送経路の最適化による販売機会の最大化」のために、実際の配送情報を用いて、配送ルートの自動割り振りを目指しています。定期的にミーティングを行って実現場でのニーズを反映させながら、可視化の実装、「積載重量制限や途中引取、出発地、最終到着地指定も含めた複数台による」最適化の方法とそのアルゴリズムの研究を行っています。


■複数台のトラックによる配送ルート設定の自動化アルゴリズムの構築を実現しました

10月29日、滋賀県庁にて記者会見を行いました


滋賀大学・帝国データバンク Data Engineering and Machine Learningセンター(2019年7月に設立、以下DEMLc)で実施している株式会社能勢鋼材との共同研究において、複数台トラックの配送ルートの最適化アルゴリズム構築を実現しました。
ステンレス鋼材の加工販売を行う能勢鋼材は、滋賀県内の工場で加工した鋼材を複数のトラックに割り当て、各地へ配送を行っています。これまで、どのトラックがどの配送先へ向かうかは同社の担当者が、長年の経験に基づいて決めていましたが、DEMLcと能勢鋼材との間で議論を重ね研究を進めた結果、配送業務を行ってきた方からも納得感の高い配送の割り当てとルートの決定を自動的に行うことが可能となりました。

▼詳細はPDFをご覧ください
2020年10月29日「複数台トラックによる配送ルート設定の自動化アルゴリズムの構築を実現」



・株式会社セゾン情報システムズ
DEMLセンターでのデータ研磨は、PythonやRなど等のプログラミング言語を駆使して活動を行っていますが、プログラミング言語の習得には時間がかかり、肝心のデータクレンジングの考え方や理論の学習時間を圧迫していました。また、開発した処理は属人化しやすく、メンテナンス性や再利用の障害になる懸念があります。
こうした実務でも発生するデータ研磨の課題を解決するために、株式会社セゾン情報システムズがDEMLセンターに参画し、データの抽出・整形・クレンジング・システム間連携に適したノンプログラミング開発ツールである「DataSpider」を用いたデータ研磨の効率化の実現を目指しています。

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