倒産集計

2019年 11月報

倒産件数は724件、3カ月連続の前年同月比増加
負債総額は1307億9700万円、6カ月ぶりの前年同月比増加

倒産件数 724件
前年同月比 +2.5%
前年同月 706件
負債総額 1307億9700万円
前年同月比 +5.6%
前年同月 1238億6600万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

倒産件数は724件、3カ月連続の前年同月比増加

倒産件数は724件(前年同月比2.5%増)と、3カ月連続で前年同月を上回った。
負債総額は1307億9700万円(前年同月比5.6%増)と、負債100億円以上の大型倒産が2件発生したことを受け、6カ月ぶりに前年同月を上回った。

■業種別

建設業、卸売業など4業種で前年同月比増加

業種別に見ると、7業種中4業種で前年同月を上回った。なかでもサービス業(190件、前年同月比9.8%増)は、ソフトウェア開発などが大きく増加し今年最多、11月としても比較可能な2000年以降で最多となった。建設業(134件、同7.2%増)は職人不足や人件費高騰が重なり、職別工事、総合工事で増加。卸売業(99件、同8.8%増)は仕入れ値上昇などの影響で木材・建築材卸などの増加が目立ち、5カ月連続の増加となった。
一方、製造業(67件、前年同月比17.3%減)、運輸・通信業(18件、同33.3%減)など3業種は前年同月を下回った。

■主因別

「不況型倒産」は569件、構成比78.6%

主因別に見ると、「不況型倒産」の合計は569件(前年同月比1.6%増)と、3カ月連続で前年同月を上回った。構成比は78.6%(同0.7ポイント減)を占めた。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

■規模別

負債5000万円未満の構成比61.0%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は442件(前年同月比3.3%増)、構成比は61.0%を占めた。また、負債1億円以上5億円未満の倒産(145件)は、前年同月比23.9%の増加で、件数全体を押し上げた。
資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が486件(前年同月比4.3%増)、構成比は67.1%を占めた。

■地域別

近畿、四国など4地域で前年同月比増加

地域別に見ると、9地域中4地域で前年同月を上回った。近畿(210件)は広告代理や受託開発ソフトウェアなどのサービス業(55件、前年同月比31.0%増)のほか、得意先である小売店の不振が響いたアパレル関連などの卸売業(27件、同50.0%増)が増加し、前年同月比12.9%増となった。四国(22件、同83.3%増)は建設業や製造業など5業種で増加。中国(32件、同33.3%増)は建設業などの増加で2カ月連続の2ケタ増となった。
一方、北海道(14件、前年同月比12.5%減)、東北(28件、同26.3%減)など5地域は前年同月を下回った。

■態様別

「破産」は664件、構成比91.7%

態様別に見ると、破産は664件(構成比91.7%)、特別清算は28件(同3.9%)となった。民事再生法は32件で、うち22件を個人事業主が占めた。

■特殊要因倒産

人手不足倒産

14件(前年同月比75.0%増)発生。3カ月ぶりの前年同月比増加

後継者難倒産

48件(前年同月比2.0%減)発生。3カ月ぶりの前年同月比減少も、調査開始以降2018年11月(49件)に次ぐ3番目の高水準

返済猶予後倒産

35件(前年同月比10.3%減)発生。3カ月ぶりの前年同月比減少

※特殊要因倒産では、主因・従因を問わず、特徴的な要因による倒産を集計

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは43.6、2カ月連続の悪化

2019年11月の景気DIは前月比0.3ポイント減の43.6となり、2カ月連続で悪化した。
11月の国内景気は、外需および内需が低迷するなかで自動車の販売量や産業機械の出荷量が減少したことを背景に、製造業で景況感の悪化が続き、関連する業種にもマイナスの影響を及ぼした。加えて、消費税率引き上げにともなう駆け込みの反動減が継続し、耐久財を中心に小売業などの景況感悪化につながった。民間設備や住宅への投資意欲減退も響いたほか、人件費や輸送費の高値推移が重くのしかかった。他方、災害復旧や防災・減災を目的とした公共工事の増加、日経平均株価の上昇と円安基調は好材料となった。
製造業の悪化が関連業種に波及するなか、消費税率引き上げの影響も続き、国内景気は後退局面入りした可能性がある。

個人消費の動向や世界経済の減速など、不透明感が一層強まる

今後の国内景気は、消費税率の引き上げなどを受けて落ち込んだ消費の行方に左右される。貿易摩擦の激化などを背景に世界経済が減速するなか、輸出の低迷に加え、先行き不透明感から設備投資意欲は減退すると予想される。さらに人手不足や原材料高などが招くコスト負担も引き続き悪材料となろう。米中貿易摩擦や日韓関係、世界的な金融緩和政策が及ぼす影響についても、動向を注視していく必要がある。一方で、公的支出が景気を下支えするほか、東京五輪に向けた消費マインドの高まりはプラス要因になると見込まれる。
今後の国内景気は、個人消費の動向や世界経済の減速などの懸念材料も多く、不透明感が一層強まっている。

今後の見通し

■倒産件数は前年同月比プラス、複数店舗展開企業の倒産相次ぐ

2019年11月の倒産件数(724件、前年同月比2.5%増)は、3カ月連続の前年同月比増加となった。業種別では、今年最多となったサービス業(190件、同9.8%増)や、3カ月連続プラスとなった建設業(134件、同7.2%増)など、7業種中4業種で前年同月を上回った。負債総額は1307億9700万円と、負債100億円超の倒産が2件発生したことから、6カ月ぶりに前年同月を上回った。書店「ザ・リブレット」などを名古屋市内中心に20店舗以上展開していた大和書店(株)(負債約30億円、愛知県、破産)のほか、食品スーパー3店舗を構えていた(株)あいでん(負債約6億7200万円、新潟県、破産)や、ピーク時に呉服店「きもの日本橋かのこ」を約30店舗出店していた(株)かのこ(負債約4億1600万円、東京都、破産)など、店舗出店時の借入過多や販売不振が影響した小売企業で、負債数億から数十億円規模の倒産が相次いだことも負債総額全体を押し上げた一因となった。

■人手不足倒産、最多を更新

従業員の離職や採用難等で収益悪化を招いたことなどから経営難に陥った人手不足倒産は、2019年1〜11月累計で164件(前年同期比23.3%増、負債総額274億400万円)発生し、調査開始(2013年)以降で年間最多だった2018年(153件)を11月時点で上回った。老人福祉事業や美容業、ソフトウェア開発などのサービス業(46件)のほか、建設業(45件)や道路貨物運送業(27件)といった業種が上位を占め、介護スタッフや美容師、ネイリスト、IT技術者、建築職人、トラックドライバーなど、専門職の確保や定着に窮した小規模企業で倒産が目立った。
今年4月より大企業でスタートした働き方改革関連法の施行が、1年間の猶予期間を経て来年4月から中小企業にも適用される。人手不足感の強い建設業や運送業では、時間外労働の上限規制について5年間の猶予が設けられているものの、労働条件や職場環境の改善が進む企業との格差が一層広がる可能性が高く、好条件での従業員確保が困難な小規模企業を中心に、人材流出などによるさらなる人手不足倒産の増加も懸念される。

■飲食店や小売店の収益動向を引き続き注視、年間倒産件数は2年ぶりプラスへ

直近10月の商業動態統計速報(経済産業省)によると、小売販売額(11兆900億円)は消費税率引き上げや台風19号の影響で前年同月比7.1%減と3カ月ぶりのマイナスとなり、前回消費税率引き上げ時(14年4月)の減少幅(4.3%減)を上回った。11月のTDB景気動向調査においても、「小売」の景況感は判断の分かれ目となる50を大きく下回る36.1と、2カ月連続で10業界中の最低値を記録しており、引き続き注視を要する。
倒産件数全体での2019年1〜11月の累計件数は7646件(前年同期7436件)と前年同期を2.8%上回る。このうち、飲食店(668件、前年同期比10.6%増)では11月単月で3カ月ぶりに前年同月を下回ったものの、年ベースでは最多を更新する勢いで倒産が発生。また、大手ディスカウントストアやドラッグストアチェーンとの競合が激しい食品スーパーや飲食料品小売店でも、来店客数の減少や各種コスト負担増加による収益悪化などから、前年をすでに上回る件数水準で推移しており、家計の節約志向の高まりによるマイナスの影響が一段と懸念される。
金融庁は11月25日、資金需要が高まる年末を前に、中小企業・小規模事業者に対する金融円滑化の周知徹底を改めて金融機関に要請したものの、収益環境が厳しさを増す中小零細企業を中心に倒産は増加傾向をたどる可能性があり、2019年の年間倒産件数は2018年の前年比3.7%減から一転し、2年ぶりに前年を上回る見通し。

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