倒産集計

2019年 2月報

倒産件数は620件、2カ月連続の前年同月比増加
負債総額は2181億5600万円、2カ月連続の前年同月比増加

倒産件数 620件
前年同月比 +4.0%
前年同月 596件
負債総額 2181億5600万円
前年同月比 +145.8%
前年同月 887億4600万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

倒産件数は620件(前年同月比4.0%増)と、2カ月連続で前年同月を上回った。
負債総額は、MT映像ディスプレイ(株)(負債約1050億円、大阪府、特別清算)の大型倒産が発生したことを受け、前年同月比145.8%増の2181億5600万円となった。

■業種別

業種別に見ると、7業種中4業種で前年同月を上回った。
製造業(68件)は低水準ながら、2000年以降最少となった前年同月(57件)からの反動もあり、前年同月比19.3%増。小売業(143件)は、原材料費や人件費の高騰などを背景に飲食料品小売(22件)や飲食店(56件)の倒産が増加し、同12.6%増となった。 一方、建設業(102件)は都市部での再開発需要の拡大などを受け前年同月比7.3%減となるなど、3業種で前年同月を下回った。

■主因別

主因別に見ると、「不況型倒産」の合計は510件(前年同月比4.9%増)となり、2カ月連続で前年同月を上回った。構成比は82.3%(同0.8ポイント増)を占めた。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

■規模別

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は385件(前年同月比0.5%増)、構成比は62.1%を占めた。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(108件)が構成比28.1%(同0.6ポイント増)を占め最多、小売業(97件)が同25.2%(同0.7ポイント減)で続く。 資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が416件(同13.4%増)、構成比は67.1%を占めた。。

■地域別

地域別に見ると、9地域中3地域で前年同月を上回った。
九州(43件)は、製造業(6件)や小売業(14件)の倒産が増加したほか、2000年以降最少となった前年同月からの反動もあり、前年同月比48.3%増。関東(203件)は、東京都の飲食店(10件)や受託開発ソフトウェア業(8件)などの倒産が増加し、同16.0%増となった。東北(35件)は、個人消費の伸び悩みなどを背景に小売業(10件)とサービス業(9件)の倒産が増加し、同29.6%増となった。 一方、北海道(18件、前年同月比5.3%減)、近畿(163件、同5.8%減)など6地域は前年同月を下回った。

■態様別

態様別に見ると、破産は575件(構成比92.7%)、特別清算は21件(同3.4%)となった。会社更生法による倒産は、2018年6月(1件)以来、8カ月ぶりに発生した。

■特殊要因倒産

人手不足倒産

15件(前年同月比66.7%増)発生。7カ月連続の前年同月比増加

後継者難倒産

31件(前年同月比29.2%増)発生。4カ月連続の前年同月比増加

返済猶予後倒産

37件(前年同月比48.0%増)発生。3カ月連続の前年同月比増加

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは47.2、3カ月連続で悪化

2月の国内景気は、機械および半導体関連で中国向け輸出の減速が続いたほか、自動車における中国市場や国内生産での低迷が、マイナス要因となった。人手不足の深刻化がサービス業や建設関連で悪材料となったほか、原材料価格や運送費の上昇によるコスト負担も重荷となった。一方で、中国の春節にともなう大型休暇などを背景とした訪日外国人観光客数の増加は、一部でプラス材料となった。
国内景気は、中国向け輸出の減速や自動車関連の低迷に加え、人手不足やコスト負担増も悪影響を及ぼし、後退局面入りの兆しがみられている。

設備投資や個人消費が下支えするも、消費税率引き上げ後の消費の落ち込みを懸念

今後は、省力化需要および公共投資の増加に加え、消費税率引き上げの駆け込み需要や改元などの国内イベントにより、消費やインバウンド需要の一時的な拡大が期待される。そのため、設備投資や個人消費が国内景気を下支えすると見込まれる。一方で、消費税率引き上げ後の消費落ち込みや人手不足などによるコスト負担増が懸念される。輸出は、日欧EPAの発効がプラス材料ながら、中国や欧州の景気減速にともない低調に推移すると予想される。また、米中貿易摩擦の激化や英EU離脱、日米通商交渉の行方など、海外を中心とするリスクが高まれば、国内景気を下押しすることが懸念される。
今後の国内景気は、設備投資や個人消費が下支えする一方、消費税率引き上げ後の消費落ち込みや海外リスクの高まりが懸念され、不透明感が一層強まっている。

今後の見通し

■倒産件数は2カ月連続の前年同月比増加

2019年2月の倒産件数(620件、前年同月比4.0%増)は2カ月連続の前年同月比増加となった。前年同月の件数(596件)が製造業や小売業の減少などで2月としては2005年(546件)以来13年ぶりの低水準だったことから、その反動が件数増加に影響した。
また、負債総額は2181億5600万円と、前年同月比145.8%の大幅増加となった。パナソニックの完全子会社としてテレビ用ブラウン管の開発・製造を手掛け、2009年12月に事業活動を停止していたMT映像ディスプレイ(株)(特別清算、大阪府)が負債約1050億円で倒産し、負債総額を大きく押し上げた。

■衣料品卸、小売で負債規模拡大の兆し

2月は大阪府内を中心に衣料品店15店舗を展開していた明治45年創業の(株)マルシヨウ(負債約28億円、民事再生、大阪府)や、カジュアルウエア卸を手掛け直営店も出店していた(株)ユナイテッドネイション(負債約4億円、破産、福岡県)など、衣料品卸、小売業者の倒産が計22件(前年同月比29.4%増)発生。2019年は2月までに累計42件を数え、このうち負債1億円未満(28件)は前年同期比15.2%減となった一方、同1億円以上(14件)は同75.0%の増加と、中規模クラスの倒産が増加傾向にある。
ファストファッションの台頭やネット通販の拡大に加え、フリマアプリの登場で消費者の行動や価値観が変化するなか、すでにブランド廃止や店舗閉鎖といったリストラ策が一巡した企業などによる倒産が今後も散発する可能性が高い。

■コスト上昇で食品小売、飲食店の倒産増

2019年に入り、2月までの2カ月間では、食品小売は累計51件(前年同期比50.0%増)、飲食店は同106件(同15.2%増)と、いずれも2018年の前年比マイナスから一転し、倒産増加が顕著となっている。近年、肉・野菜などの輸入食材のほか、乳製品や小麦、加工食品など、さまざまな食料品の価格が高騰。人手不足を背景に人件費や物流コストも上昇するなか、企業努力による上昇分の吸収が限界を迎え、倒産に追い込まれるケースが目立つ。
小規模店ほど仕入先数は少なく、価格交渉力も弱いうえ、大量仕入れによる原価抑制や店頭価格への転嫁などが難しい。コスト上昇基調は今後も続くと想定され、今秋の消費税率引き上げも控えるなか、小規模店を中心としたさらなる倒産増加が懸念される。

■資金繰り支援続くも、楽観視はできず

金融庁は2月28日、年度末に向けて資金需要が高まる時期を前に、金融機関関係団体などに対して改めて金融の円滑化を要請した。中小企業・小規模事業者の資金繰りに支障が生じないよう、企業からの相談にきめ細かく対応し、適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮に努めるよう呼びかけた。また、年度末に加え4月下旬からの10連休についても、金融機関全体で積極的に資金繰り支援に取り組む姿勢を打ち出している。
こうした金融機関による資金繰り支援環境が続くとすれば、倒産件数が急増する可能性は低い。ただし、中国経済の減速を背景に、為替や輸出、消費などの先行きに不透明感が高まるなか、日本企業の業績への影響も一部表面化し始めており、楽観できない状況は当面続く。

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