倒産集計

2018年上半期報
2018年(平成30年)1月〜6月

倒産件数は4029件、2年ぶりの前年同期比減少
負債総額は9111億1700万円、2年ぶりの前年同期比減少

倒産件数 4029件 負債総額 9111億1700万円
倒産件数
4029件
負債総額
9111億1700万円
前年同期比 件数 ▲5.1% 2017年上半期 4247件
負債 ▲48.4% 2017年上半期 1兆7655億7100万円
前期比 件数 ▲2.4% 2017年下半期 4129件
負債 +32.2% 2017年下半期 6893億1300万円
前年同期比
件数 負債
▲5.1% ▲48.4%
2017年上半期 2017年上半期
4247件 1兆7655億7100万円
前期比
件数 負債
▲2.4% +32.2%
2017年下半期 2017年下半期
4129件 6893億1300万円

〈注〉2017年上半期の負債総額は、タカタ(株)の負債額を1兆823億8400万円(確定再生債権等の総額)として集計(2018年上半期報・2018年6月報より適用)

主要ポイント

調査結果

■件数

ポイント2年ぶりの前年同期比減少

2018年上半期の倒産件数は4029件(前年同期4247件、前年同期比5.1%減)と、2年ぶりに前年同期を下回り、半期ベースでは過去10年で最少となった。四半期別では、第1・第2四半期とも前年同期を下回り、月別では6カ月中5カ月で前年同月を下回った。

要因・背景

業種別では建設業や製造業など7業種中6業種で、地域別では北海道や関東など9地域中4地域で前年同期を下回った

■負債総額

ポイント2年ぶりの前年同期比減少

2018年上半期の負債総額は9111億1700万円(前年同期1兆7655億7100万円、前年同期比48.4%減)と、2年ぶりに前年同期を下回った。四半期別では、第2四半期で前年同期比72.7%の大幅減、月別では6カ月中5カ月で前年同月を下回った。

〈注〉前年同期(2017年上半期)の負債総額は、タカタ鰍フ負債額を1兆823億8400万円(確定再生債権等の総額)として集計(2018年上半期報・2018年6月報より適用)

要因・背景

■業種別

ポイント7業種中6業種で前年同期比減少

業種別に見ると、7業種中6業種で前年同期を下回った。なかでも、建設業(716件、前年同期比6.8%減)、製造業(471件、同11.6%減)の2業種は、2000年以降で最少。また、卸売業(606件、同6.9%減)は6年連続の前年同期比減少となった。一方、サービス業(958件、同1.8%増)は唯一前年同期を上回った。

要因・背景

■主因別

ポイント 「不況型倒産」の構成比80.8%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は3254件(前年同期3471件、前年同期比6.3%減)となった。構成比は80.8%(同0.9ポイント減)を占めた。

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比61.8%

負債額別に見ると、負債5000万円未満の倒産は2489件(前年同期2502件、前年同期比0.5%減)となった。構成比は61.8%(同2.9ポイント増)を占め、上半期としては2000年以降で最高となった。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中4地域で前年同期比減少

地域別に見ると、9地域中4地域で前年同期を下回った。なかでも、北海道(124件、前年同期比16.2%減)、関東(1412件、同12.7%減)、四国(69件、同10.4%減)の3地域は前年同期比2ケタ減となった。一方、東北(176件)など5地域は前年同期を上回った。

要因・背景

■態様別

ポイント特別清算が2年連続の前年同期比増加

態様別に見ると、破産は3738件(前年同期3969件)と、2年ぶりに前年同期を下回った。特別清算は167件(同152件)と、2年連続の前年同期比増加となった。

要因・背景

■上場企業倒産

  • ■2018年上半期の上場企業倒産は、東証1部上場の日本海洋掘削(株)(会社更生法、6月)の1件となった
  • ■注目の倒産動向

    人手不足倒産

    2018年上半期は70件(前年同期比42.9%増)、3年連続の前年同期比増加

    後継者難倒産

    2018年上半期は185件(前年同期比13.5%増)、2年ぶりの前年同期比増加

    返済猶予後倒産

    2018年上半期は205件(前年同期比18.0%減)、3年ぶりの前年同期比減少

    今後の見通し

    ■倒産件数は4029件、製造業と小売業が倒産件数の減少に寄与

    2018年上半期の企業倒産は4029件(前年同期比5.1%減)となり、上半期として2年ぶりに減少した。2月以降5カ月連続で減少し、特に製造業と小売業が倒産件数の減少に寄与する結果となった。6月には東証1部上場の海洋資源掘削業者である日本海洋掘削(負債904億7300万円、東京都)が東京地裁へ会社更生法の適用を申請、1年ぶりに上場企業倒産が発生した。

    ■SDGsの動きが本格化、企業活動への影響を注視

    2015年に国連サミットで採択され、気候変動対策や環境保全など17項目にのぼる国際的な取り組みであるSDGs(持続可能な開発目標)が「経済財政運営と改革の基本方針2018」や「未来投資戦略2018」などで掲げられた。また、6月29日にはSDGs推進本部で29の自治体が「SDGs未来都市」として選定されるなど、政府においてSDGsに対する動きが本格化してきた。さらに、「拡大版SDGsアクションプラン2018」では、働き方改革や女性の活躍推進、人づくり革命などが国内における政策軸の1つとなっている。
    2017年11月にはSDGsの達成を柱とした「企業行動憲章」(日本経済団体連合会)が改定されるなど、企業経営に一定の影響を及ぼすとみられる。また、金融機関でもSDGsに合致する事業を積極的に支援する事例も出ており、企業にとって金融機関からの融資に好影響となる可能性も指摘される。一方、漁獲枠やワシントン条約など国際的取り決めに対応できず倒産に至った事例も発生しているなど、企業によるSDGsへの取り組みの行方を注視する必要があろう。

    ■ゴルフ場経営業者の倒産増加、人口構造の変化への対応が重要に

    ゴルフ場経営業者の倒産が急増している。2018年上半期の倒産件数は15件(前年同期7件)発生しており、すでに2017年通年で発生した12件を上回る。
    ゴルフ業界では、2020年東京五輪の公式競技に復帰するなど追い風が吹くなかで、@コース造成やクラブハウス建設などの初期投資に関する預託金の償還期限問題、A主要プレーヤーとなる団塊世代の高年齢化など、経営課題は山積している(帝国データバンク「ゴルフ場経営業者951社の経営実態調査」2018年5月)。特に、2018年上半期の大型倒産上位30社のうち3分の1をゴルフ場経営業者が占めるなど、ゴルフ場経営などではサンクコストが巨額になりがちである。一方で、ゴルフ場跡地のソーラー利用など効果的な転用も視野に入る。こうした産業や企業にとって、競技者数にも影響する人口構造の変化への対応が一層重要となっている。

    ■倒産件数は抑制された状態で推移も、住宅関連産業の動向に注目

    国内景気は、人手不足の深刻化や省力化需要を背景に設備投資が底堅く推移すると見込まれるほか、輸出増加や東京五輪、消費税率引き上げによる駆け込み需要も好材料である。他方、食品や燃料価格の上昇に加え、貿易摩擦の激化や地政学的リスクが下押し要因となる可能性もある。
    6月29日、TPP11(包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定、CPTPP)関連法が成立し国内手続きが完了、政府は年内の発効を目指している。また、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)も年内合意を目指すとしており、企業を取り巻く国際ルールが大きく変わる可能性がある。加えて、投資不動産に対する金融機関の融資が厳しくなっているなか、貸家を中心に新設住宅着工戸数が減少傾向にあることは、住宅建設だけでなく関連産業への影響も懸念される。
    こうした状況の下、当面の倒産動向は抑制された状態で推移すると見込まれる。

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