倒産集計

2018年 7月報

倒産件数は689件、6カ月連続の前年同月比減少
負債総額は1022億8400万円、4カ月連続の前年同月比減少

倒産件数 689件
前年同月比 ▲1.3%
前年同月 698件
前月比 ▲2.8%
前月 709件
負債総額 1022億8400万円
前年同月比 ▲0.4%
前年同月 1027億600万円
前月比 ▲48.0%
前月 1968億6300万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

ポイント倒産件数は689件、6カ月連続の前年同月比減少

倒産件数は689件(前年同月比1.3%減)と、6カ月連続で前年同月を下回った。負債総額は1022億8400万円(同0.4%減)と、4カ月連続で前年同月を下回った。

要因・背景

件数…業種別では製造業など5業種で、地域別では北海道など4地域で前年同月比減少
負債総額…負債100億円以上の倒産は発生せず、負債5000万円未満の倒産が65.5%を占めた

■業種別

ポイント建設業、製造業など5業種で前年同月比減少

業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を下回った。なかでも、建設業(125件、前年同月比11.3%減)、製造業(75件、同12.8%減)の2業種は前年同月比2ケタ減となった。一方、2業種で前年同月を上回り、小売業(174件、同16.8%増)は今年最多となった。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」の構成比79.5%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は548件(前年同月比3.5%減)となり、6カ月連続で前年同月を下回った。構成比は79.5%(同1.9ポイント減)を占めた。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比65.5%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は451件(前年同月比4.9%増)となった。構成比は65.5%を占め、小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人経営含む)の倒産が456件で構成比66.2%を占めた。

要因・背景

■地域別

ポイント北海道、近畿など4地域で前年同月比減少

地域別に見ると、9地域中4地域で前年同月を下回った。このうち、北海道(14件、前年同月比41.7%減)は8カ月連続、中部(102件、同8.9%減)、近畿(153件、同11.0%減)は3カ月連続の前年同月比減少となった。一方、中国(36件)など4地域は前年同月を上回った。

要因・背景

■上場企業倒産

上場企業の倒産は発生しなかった。

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは49.5、国内景気は4カ月ぶりに改善

2018年7月の景気DIは前月比0.5ポイント増の49.5となり、4カ月ぶりに改善した。
7月の国内景気は、関東甲信越で観測史上最も早く梅雨が明けるなど全国各地で記録的猛暑が続いたことや、夏季賞与の支給額増加が追い風となり、耐久財や季節商品など個人消費が拡大し景況感を押し上げた。一方、平成30年7月豪雨は被災地で人的・物的に甚大な被害をもたらし、ライフラインの寸断や企業活動の停滞など中国地域の景況感悪化に影響した。国内景気は、集中豪雨が被災地を中心に企業活動の停滞を招いた一方、猛暑や賞与が消費を刺激し4カ月ぶりに改善、国内景気は足踏み状態となった。

国内景気は災害復興需要が表れると見込むものの、貿易摩擦や原油高による影響に懸念

国内は、世界経済の回復を受け輸出の増加基調が続き、高水準の企業収益などを背景に設備投資が堅調に推移すると見込まれる。個人消費は緩やかな回復が予想されるものの、原油高を通じたエネルギー価格上昇などから弱含む可能性がある。また今後、平成30年7月豪雨による災害や大阪府北部の地震にともなう復興需要が地域の景況感を押し上げると見込まれる。一方で、自動車分野における日米間の通商交渉の行方や、世界的な貿易摩擦の激化、中国や欧州の景気減速懸念などの海外リスクを抱える。今後は、輸出や設備投資の堅調な推移が国内景気を下支えすることに加え、災害からの復興需要が表れると見込むものの、貿易摩擦などの海外リスクや原油高による影響が懸念される。

今後の見通し

■金融政策の枠組み強化、住宅購入に影響の可能性も

7月31日、日本銀行は引き続き強力な金融緩和を続けていくため、政策金利のフォワードガイダンスの導入など金融政策の枠組み強化を決定し、さらに、10年物国債金利の変動幅が経済・物価情勢に応じて上下にある程度広がることも容認する姿勢を示した。こうしたなか、国債金利に連動しやすい住宅ローンの固定金利について、一部金融機関から引き上げが表明された。住宅価格が高止まりするなかで、金利の上昇は住宅購入を抑制する可能性も懸念される。建設業の倒産件数は減少傾向にあるものの、今後の住宅関連市場の動向は注視していく必要があろう。

■中小企業の競争力強化に向けた制度の拡充、生産性向上がカギを握る

中小企業の競争力強化や生産性向上に対する支援制度の拡充が図られている。7月9日、改正産業競争力強化法が施行され、会社法の特例措置等による円滑な事業承継や企業再生に伴う支援、技術等の漏えい防止に対応する認証機関の認定制度の創設、中小企業倒産防止共済制度の拡充による連鎖倒産の防止のための追加措置などが講じられた。とりわけ事業再生ADRに関する改善点では、事業の継続に欠かせない商取引債権の保護に関する規定を創設。商取引が維持されることで、債務者の事業価値の毀損を減らす可能性が高まる。法的整理への移行後について、裁判所は事業再生ADRの過程における商取引債権の保証確認を考慮することが義務付けられ、円滑な事業再生に向けた環境が強化された。
また、6月6日には生産性向上特別措置法が施行された。同法では、データの共有・連携のためのIoT投資減税や中小企業の設備投資に対する固定資産税の減免のほか、多くの国で導入が進む革新的な技術やビジネスモデルなどの実証を行いやすくするプロジェクト型や地域限定型のサンドボックス制度の創設など、中小企業の生産性向上に向けた枠組みが形成されている。
大企業と中小企業で生産性の格差が広がりつつあるなか、中小企業にとってこうした制度を活用した投資がより重要となってくる。

■倒産動向は抑制された状態で推移

国内景気は、輸出増加の継続や高水準の企業収益を背景とした設備投資が堅調に推移するとみられるほか、個人消費は賃金上昇などもあり緩やかな回復が見込まれる。また、平成30年7月豪雨や大阪府北部の地震などに伴う復旧・復興需要も押し上げ要因となる。ただし、エネルギー価格の上昇に加え、自動車分野の日米交渉の行方や、世界的な貿易摩擦の激化、中国や欧州の景気減速懸念などの海外リスクを抱える状態が続くと予想される。豪雨や猛暑など天候不順が企業活動に影響を与えており、とりわけ被災地域の企業に対する官民の支援が重要性を増している。さらに、天候不順による野菜など農畜水産物の価格上昇も懸念材料となる。
7月は、村山モータース(負債1億4600万円、東京都、破産)など、自動車・二輪車小売の経営破たんが目立った。特に、中古自動車小売をはじめ小規模事業者の倒産が多く、同業者との厳しい競争や、タイヤを含む周辺パーツ販売などでは通信販売業者も競合相手となってきている。経営環境が変化するなかで、従来のやり方にとらわれない経営力が問われてこよう。
こうした状況下、7月の倒産件数は689件(前年同月比1.3%減)、2018年累計は4718件(前年同期比4.6%減)となっており、当面の倒産動向は抑制された状態で推移すると見込まれる。

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