倒産集計

2018年 3月報

倒産件数は760件、2カ月連続の前年同月比減少
負債総額は3489億5900万円、6カ月ぶりの前年同月比増加

倒産件数 760件
前年同月比 ▲5.8%
前年同月 807件
前月比 +27.5%
前月 596件
負債総額 3489億5900万円
前年同月比 +105.8%
前年同月 1695億8500万円
前月比 +293.2%
前月 887億4600万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

ポイント倒産件数は760件、2カ月連続の前年同月比減少

倒産件数は760件で、前年同月比5.8%の減少となり、2カ月連続で前年同月を下回った。負債総額は3489億5900万円で、前年同月比105.8%の増加となり、6カ月ぶりに前年同月を上回った。

要因・背景

件数…業種別では7業種中4業種で、地域別では関東や近畿など4地域で前年同月比減少
負債総額…ジャパンライフ(株)(負債2405億円)が負債総額の約7割を占めた

■業種別

ポイント小売業、サービス業など4業種で前年同月比減少

業種別に見ると、7業種中4業種で前年同月を下回った。このうち、小売業(170件、前年同月比8.1%減)は3カ月連続、卸売業(99件、同26.1%減)、サービス業(177件、同2.7%減)の2業種は2カ月連続、運輸・通信業(24件、同29.4%減)は4カ月ぶりの前年同月比減少。一方、不動産業(25件、同31.6%増)など3業種は前年同月を上回った。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」の構成比83.0%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は631件(前年同月比3.5%減)となり、2カ月連続で前年同月を下回った。構成比は前年同月を2.0ポイント上回り、83.0%を占めた。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比60.9%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は463件で、構成比は60.9%となり、依然として小規模倒産が大半を占めた。資本金規模別では資本金1000万円未満(個人経営含む)の倒産が501件で構成比65.9%となり、2000年以降で最高となった。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中4地域で前年同月比減少

地域別に見ると、北海道(27件、前年同月比10.0%減)、関東(275件、同15.1%減)、中部(106件、同14.5%減)、近畿(182件、同13.3%減)の4地域で前年同月比2ケタの減少。東京都と大阪府の減少が大きく全国の件数を押し下げた。一方、東北(33件、同65.0%増)、九州(57件、同50.0%増)など5地域は前年同月比2ケタの増加となった。

要因・背景

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは50.4、2カ月ぶりに改善

2018年3月の景気DIは前月比0.1ポイント増の50.4となり、2カ月ぶりに改善した。
3月の国内景気は、自動車や加工機械の輸出好調が続いたほか、需要期にあたる不動産取引の活発化などがプラスに働いた。また、好天に恵まれ例年に比べ気温が高かったことから消費が上向いたほか、燃料価格の上昇が一服したことも押し上げ要因となった。一方で、食品や鋼材などの原材料価格が上昇し、企業収益を圧迫。米国による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限発動や対中輸入関税措置を受け、為替相場などが変動したことも一部で影響をおよぼした。国内景気は、輸出の好調や年度末需要がプラスとなった一方で、住宅建設の減少に加え、原材料価格が高水準で推移したことなども響き、足踏み状態となった。

保護貿易の広がりが懸念されるものの、国内景気は企業部門の好調で緩やかに拡大

世界経済は引き続き回復傾向で推移すると予想されるものの、保護主義の広がりから貿易摩擦が厳しさを増していくことが懸念される。一方、国内景気は、設備投資や輸出の増加がけん引役となって拡大が見込まれる。ただし、リスク要因として、人手不足の深刻化や為替相場の動向、経済政策の停滞が景気の下押し圧力となる可能性について、一定の注意を払う必要があろう。また、雇用環境の改善が下支えする個人消費が今後力強く改善していくためには、実質可処分所得の増加がカギとなる。世界的な保護貿易主義の高まりによる影響が懸念されるものの、今後の国内景気は企業部門の好調が続き、緩やかに拡大していくと見込まれる。

今後の見通し

■倒産件数は9年ぶりに増加、サービス業の増加が全体の倒産件数を押し上げ

2017年度の企業倒産件数は8285件(前年度比1.6%増)となり、1万3千件を超えていた2008年度以来9年ぶりに増加した。2017年度の倒産動向は前半と後半で地域的な違いがみられた。年度前半は東京都・大阪府・愛知県の3都府県が前年同期比10.4%増と増加傾向を示していたが、年度後半は減少に転じた。反対に、年度後半は公共工事の減少などで建設業が増加に転じた他の地域が同5.4%増となるなど、2017年度は都市部から他の地域へと倒産の増加地域が移っていったことが特徴的だった。また、業種別では、3都府県を中心にサービス業の増加が目立ち、なかでもソフトウェア業や広告代理業、労働者派遣業、理美容業などが倒産件数全体を押し上げる結果となった。

■必須となるAoTへの取り組み、新たな収益源を求め企業の生き残りに欠かせず

IoT(モノのインターネット)を活用したビジネスが急速な広がりを見せている。こうした経済のデジタル化が加速するなか、IoTなどを通じて得られたビッグデータなどを事業化につなげる形で統合・管理・分析するAoT(Analytics of Things)への取り組みが必須となってきた。
AoTにより得られた結果が将来の収益源を創出する根拠ともなりうる。すでに、水環境分野におけるIoTサービスでAoTを導入した企業や、コインランドリー機器の決済・管理技術がAoTの結果を基に開発されるなど、各社の取り組みはスピードを増している。世界のAoT市場は2017年から5年間で4倍近くに拡大するとみられるなか、新たな収益源を求める企業でAoTの活用は欠かせなくなっている。

■人手不足倒産は114件発生、今後も増加する可能性が高い

2017年度の人手不足倒産は114件(前年度比44.3%増)発生した。業種別では、建設業(31件)とサービス業(27件)の2業種で半数を占めた。また、負債10億円以上の倒産では、地域の有力な医療機関の誠広会(負債87億円、岐阜県、民事再生)やサービス付き高齢者向け住宅を運営していたエヌ・ビー・ラボ(負債13億9700万円、神奈川県、破産)など、医療・福祉関連の倒産が目立った。
正社員が不足していると感じる企業の割合は52.2%まで上昇し過去最高となっている(帝国データバンク「TDB景気動向調査2018年3月」)。帝国データバンクの分析によると、こうした現在のような人手不足の状況では、社会全体として、人手不足がなければ本来得られたはずの付加価値の多くが失われてしまうという結果が導かれており(同「TDB景気白書2018年版」)、企業業績に与える影響も無視できなくなっている。
人手不足の高まりは、日本の人口減少が継続するなかで、倒産の増加につながる可能性が高い。

■倒産動向は抑制された状態で推移する見込み

国内経済は、企業部門の好調を背景に緩やかな拡大が続くと見込まれる。しかしながら、世界的な保護貿易主義の高まりによる影響が懸念されるほか、為替相場の変動や経済政策の停滞など、景気を下押しするリスク要因が増している。他方、企業においては、人手不足の高まりを踏まえた経営計画やビジネスモデルの再構築が必要となってくるほか、新たな収益を生み出す事業開拓に向けた取り組みが重要となっている。また、金融庁が「平成29事務年度金融行政方針」で金融機関にフィナンシャル・ジェロントロジー(金融老年学)の活用を促すなど、企業には人生100年時代を踏まえた働き方改革や商品・サービスの開発に対応することも求められよう。
こうした経済状況の下、当面の倒産動向は抑制された状態で推移すると見込まれ、2018年度の倒産件数はほぼ横ばい(8200〜8400件程度)になると予測される。

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