倒産集計

2017年 12月報

倒産件数は696件、2カ月ぶりの前年同月比増加
負債総額は1565億7200万円、3カ月連続の前年同月比減少

倒産件数 696件
前年同月比 +6.4%
前年同月 654件
前月比 +7.7%
前月 646件
負債総額 1565億7200万円
前年同月比 ▲8.6%
前年同月 1713億2700万円
前月比 +16.0%
前月 1349億8300万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

ポイント倒産件数は696件、2カ月ぶりの前年同月比増加

倒産件数は696件で、前年同月比6.4%の増加となり、2カ月ぶりに前年同月を上回った。負債総額は1565億7200万円、前年同月比8.6%の減少と、3カ月連続で前年同月を下回った。


要因・背景

件数…業種別では7業種中4業種で、地域別では東北や中部など5地域で前年同月比増加
負債総額…負債100億円以上の倒産は2件にとどまるなど、大型倒産は低水準が続く

■業種別

ポイント7業種中4業種で前年同月比増加

業種別に見ると、7業種中4業種で前年同月を上回った。なかでも、卸売業(116件、前年同月比11.5%増)、小売業(168件、同24.4%増)の2業種は前年同月比2ケタの増加。また、不動産業(21件、同5.0%増)は4カ月連続で前年同月を上回った。一方、建設業(121件、同5.5%減)、製造業(86件、同14.0%減)の2業種は前年同月を下回った。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」は4カ月連続で前年同月比増加

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は566件(前年同月比3.9%増)となり、4カ月連続で前年同月を上回った。構成比は81.3%(同2.0ポイント減)を占めた。


※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比60.2%

規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は419件で前年同月を13.6%上回った。構成比は60.2%となり、依然として小規模倒産が過半を占める傾向が続いた。資本金別では資本金1000万円未満(個人経営含む)の倒産が454件となり、構成比65.2%を占めた。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中5地域で前年同月比増加

地域別に見ると、9地域中5地域で前年同月比増加となった。なかでも東北(41件、前年同月比51.9%増)は2015年3月(42件)以来2年9カ月ぶりに40件を上回り、2017年で最多。また、中部(115件、同9.5%増)は4カ月連続の前年同月比増加となった。3都府県では、東京都と大阪府は2カ月ぶり、愛知県は2カ月連続でそれぞれ前年同月を上回った。

要因・背景

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは50.9、国内景気は7カ月連続で改善

2017年12月の景気DIは前月比0.9ポイント増の50.9となり、7カ月連続で改善した。2017年は2月以降、5月の横ばいを除きすべての月で改善した。
12月の国内景気は、中国などの旺盛な海外需要や為替相場の安定を背景に、輸出の増加が続き、機械など製造業の好調が継続した。業界別で「製造」「運輸・倉庫」「サービス」、規模別では「中小企業」「小規模企業」が過去最高を更新するなど、年末需要や株高を追い風に、景況感の改善は製造業から他の業界へ、大企業から中小企業へと広がりを見せ、景気DIは過去最高(2014年3月、51.0)に迫る水準まで上向いてきた。燃料価格や人件費の上昇は負担となったが、製造業の好調に年末需要も加わり、景況感の改善が業界・規模間で広がるなど、国内景気は拡大した。

今後は、輸出や設備投資など企業主導による景気拡大が続く

今後の国内景気は、輸出および生産の拡大が続き、これを受けた企業収益の増加や省力化需要を背景として、設備投資は堅調に推移するであろう。個人消費は、良好な雇用環境などから緩やかに回復すると予想される。また、米国の大型減税や中小企業の設備投資等を促す2018年度税制改正は、景気にプラスに働くとみられる。ただし、企業の半数超が正社員不足に直面していると回答するなど、人手不足の深刻化による悪影響が懸念されるほか、地政学的リスクには一定の注意が必要である。今後は、国内外の企業向け税制改革も寄与し、輸出や設備投資など企業部門がけん引して拡大基調で推移すると見込まれる。

今後の見通し

■倒産件数は8376件で8年ぶりに増加、都市部が顕著に

2017年の企業倒産件数は8376件(前年比2.6%増)となり、リーマン・ショック後で1万3千件を超えていた2009年以来8年ぶりに増加した。年間倒産件数の約4割(41.7%)を占める「東京都」「大阪府」「愛知県」の3都府県合計では3493件(同7.1%増)で8年ぶりに増加した一方、他の地域は4883件(同0.4%減)と8年連続減少となり、都市部での倒産増加が目立つ1年となった。業種別では、飲食店などの小売業(同8.3%増)や人材派遣などを含むサービス業(同6.3%増)、不動産業(同3.8%増)などの倒産増加が顕著となった。

■人口減少が続くなか、人材確保の厳しさが続く

人手不足が国内経済に及ぼす影響が深刻化してきた。人手不足倒産は2017年に106件発生、前年比47.2%と大幅に増加した。2017年までの過去20年間で生産年齢人口(15〜64歳人口)が1100万人以上減少したなかで(総務省「人口推計」)、2018年景気への懸念材料として「人手不足」をあげる企業は半数近くに及ぶ(帝国データバンク「2018年の景気見通しに対する企業の意識調査」)。また、人口減少を経営課題と捉えている企業も7割を超える(同「人口減少に対する企業の意識調査」)。
有効求人倍率が1974年以来43年ぶりの高水準となるなど、今後も労働市場のひっ迫が見込まれるなか、人件費の上昇によるコスト負担の増大や営業機会の喪失など、経営への影響が懸念される。

■B to C企業の倒産、多数かつ広域に消費者を巻き込む

2017年は、格安海外旅行を手がけていたてるみくらぶ(負債159億8300万円、東京都)や結婚式場業者として過去2番目の大型倒産となったBrilliaなど4社(負債合計98億円、東京都)、脱毛サロン経営のグロワール・ブリエ東京(負債97億7225万円、東京都)など、個人向けビジネスを展開する企業の大型倒産も目立ち、一般消費者に大きなインパクトを与えた。また、クラウドファンディング型販売・完全受注生産事業を行っていたそらゆめ(負債2億4100万円、東京都)は、インターネット経由で完結するため取引相手が見えにくいという特徴もみられた。2018年に入ってからも、振袖の販売・レンタル業を行うはれのひ(神奈川県)が成人の日に突然営業を停止し、晴れ着を着られなくなった新成人が続出した問題を含め、被害を受ける消費者が多数かつ広域に及ぶケースが特徴的となった。

■倒産動向は低水準の状況に変わりはなく、増減を繰り返しながら推移する見通し

国内景気は、個人消費が雇用・所得環境の改善もあり緩やかな回復が期待されるほか、好調な輸出や自動化・省力化を目的とした設備投資などがけん引役となり、拡大基調で推移すると予測される。また、米国の法人向け大型減税のほか、国内での中小企業の設備投資等を促す2018年度税制改正は好材料といえよう。
しかしながら、人手不足の深刻化による悪影響や、中東や東アジアにおける地政学的リスクの高まりには注視すべきであろう。さらに、2017年に顕在化した新規設備投資など積極的な事業拡大に資金や人材確保が追いつかずに経営破たんする場合など、景気回復期に特徴的に表れるいわゆる“好況型倒産”のほか、金融機関から貸付条件の変更等を受ける一方で経営改善が進まず倒産に至る返済猶予後倒産の増加も懸念されており、企業は環境変化への対応が一層求められる。
景気の拡大が予測される一方、国内外においてさまざまなリスクを抱えるなかで、当面の倒産動向は低水準の状況に変わりはないとみられるものの、増減を繰り返しながら推移していくと見込まれる。

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