倒産集計

2017年 9月報

倒産件数は648件、3カ月ぶりの前年同月比増加
負債総額は1043億7800万円、3カ月ぶりの前年同月比増加

倒産件数 648件
前年同月比 +4.2%
前年同月 622件
前月比 ▲2.7%
前月 666件
負債総額 1043億7800万円
前年同月比 +12.1%
前年同月 931億4000万円
前月比 +17.6%
前月 887億5400万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

ポイント倒産件数は648件、3カ月ぶりの前年同月比増加

倒産件数は648件で、前月比では2.7%減少したものの、前年同月比では4.2%の増加となり、3カ月ぶりに前年同月を上回った。負債総額は1043億7800万円と、前月比で17.6%、前年同月比でも12.1%増加し、3カ月ぶりの前年同月比増加となった。


要因・背景

件数…業種別では7業種中5業種で、地域別では北海道や近畿など5地域で前年同月比増加
負債総額…負債5000万円未満の構成比が59.4%と、小規模倒産が多数を占めた

■業種別

ポイント7業種中5業種で前年同月比増加

業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を上回った。このうち、サービス業(161件、前年同月比14.2%増)は2カ月連続、製造業(84件、同16.7%増)と不動産業(25件、同13.6%増)は3カ月ぶりの前年同月比増加となった。一方、小売業(125件、同11.3%減)、卸売業(88件、同3.3%減)の2業種は前年同月を下回った。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」は527件、構成比は81.3%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は527件(前年同月比0.6%増)となり、4カ月ぶりに前年同月を上回った。構成比は81.3%(同2.9ポイント減)を占めた。


※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比59.4%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は385件(前年同月比5.5%増)となった。構成比は59.4%と、依然として小規模倒産が過半を占める傾向が続いた。資本金規模別では資本金1000万円未満(個人経営含む)の倒産が409件で構成比63.1%を占めた。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中5地域で前年同月比増加

地域別に見ると、9地域中5地域で前年同月を上回った。このうち、近畿(183件、前年同月比18.1%増)は5カ月連続の前年同月比増加。一方、東北(23件、同14.8%減)は4カ月ぶり、関東(221件、同0.9%減)は2カ月連続で前年同月を下回った。3都府県では、愛知県は2カ月連続で減少も、東京都は8カ月連続、大阪府は5カ月連続でそれぞれ増加した。

要因・背景

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは48.4、国内景気は回復傾向

2017年9月の景気DIは前月比0.7ポイント増の48.4となり、4カ月連続で改善した。
9月の国内景気は製造業がけん引した。アジア向け電子部品や機械、米国向けの自動車関連などを中心に輸出の増加が続き、「製造」が8カ月連続で改善した。輸出が一部の指標でリーマン・ショック前の水準を回復している。さらに、東証1部の時価総額が過去最高を更新するなど、株式相場の上昇を受けた取引額の増加が「金融」へプラスに働いた。「建設」は五輪関連や公共工事などの旺盛な建設需要を追い風に、「大企業」「中小企業」「小規模企業」のすべてが50台となった。国内景気は、輸出の拡大を受けた製造業が全体の景況感を押し上げたことに加え、株式相場の上昇や旺盛な建設投資もあり、回復が続いた。

今後の国内景気は設備投資の増加など内需の好調を受け、回復傾向が続く

好調な企業収益が続くなか、深刻化する人手不足を受けた省力化投資など設備投資の増加が、大企業を中心に見込まれる。また、堅調な雇用・所得情勢や消費マインドの持ち直しを受けて、個人消費が緩やかに改善するであろう。海外経済は底堅く推移し、輸出はこれからも堅調に推移することが予想される。一方で、欧米の金融政策の動向や北朝鮮情勢には注視する必要があろう。また、10月実施の総選挙の結果次第では、新たな経済対策の策定などにより景気の底上げが期待されるものの、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標の延期が懸念される。
今後の国内景気は、設備投資の増加や個人消費回復など内需の好調を受けるかたちで、回復傾向が続くことが見込まれる。

今後の見通し

■2017年度上半期の倒産件数は8年ぶりに増加、負債総額は2ケタ増

2017年度上半期(2017年4〜9月)の企業倒産は4197件(前年同期比3.4%増)となり、リーマン・ショックの影響が残る2009年度上半期(2009年4〜9月)以来8年ぶりに増加した。業種別では、サービス業(959件、同9.1%増)が前年同期より80件、小売業(918件、同7.9%増)が67件それぞれ増加し、全体の倒産件数を押し上げる要因となった。また、倒産件数の約4割(41.3%)を占める「東京都」「大阪府」「愛知県」の3都府県の合計では1734件(同10.4%増)と2ケタ増となり、全国水準を上回るペースで推移している。
負債総額は7618億1800万円(同12.8%増)で、上半期では4年ぶりに前年同期を上回った。

■深刻化する人手不足、企業収益への厳しさ増す

人手不足が深刻化している。2017年度上半期の人手不足倒産は54件(前年同期比68.8%増)発生しており急増した。正社員の不足を感じている企業は48.2%で、なかでも情報サービスは70%に達する(帝国データバンク「TDB景気動向調査2017年9月度」)。さらに、非正社員においては飲食店で7割を超えるなど、小売業やサービス業といった業種を中心に人手不足が危機的な水準に上昇している業種もみられる。とりわけ、大企業では人手不足感の高まりを背景に採用を積極化しており、中小企業の採用活動にも影響が及ぶ要因となっている。こうしたなか、人材確保・定着を目的とした人件費上昇などにより企業収益に対する厳しさが増し、商品・サービスの新規開発にも影響を与えるケースが出てきた。人手不足を要因とする倒産は、今後も増加する可能性が高いと見込まれる。

■飲食店の倒産が増加、コスト負担増加で価格への転嫁も課題に

飲食店の倒産が増加している。2017年度上半期には360件(前年同期比37.9%増)発生しており、上半期としては2000年度以降で最多となった。低価格を訴求していたピザチェーン店の運営会社(遠藤商事・Holdings.、負債12億7821万円、東京都)が破産したほか、10月には新規出店に伴う借り入れ負担の増大や競争の激化を背景とした破産(ステークスなど2社、負債合計14億3700万円、東京都)などが発生している。10月以降、最低賃金が過去最大の引き上げ幅となり、今後は人手不足も相まって人件費の上昇に拍車がかかることが見込まれる。また、野菜など天候不順に伴う生育の遅れなどが価格を押し上げていることや、海外産の原料価格上昇によるコスト負担が増大するなか、価格への転嫁が課題となるケースも表れている。

■倒産件数は低水準での推移が続くものの、減少傾向に底打ちの可能性も

今後の経済動向では、東京五輪や震災復興関連など建設需要は継続すると予測される。こうしたなか、雇用・所得環境の改善を通じた個人消費の緩やかな改善が期待されるほか、輸出も堅調に推移することで設備投資も上向くとみられ、回復傾向が続く国内景気は倒産を抑制する要因になると見込まれる。しかし、人手不足に伴う企業活動の抑制に加えて、総選挙後の経済政策には不透明さが漂う。さらに、新規設備投資など積極的な事業展開の末、資金や人材の確保が追いつかなくなるなど、景気回復期に特徴的に表れるいわゆる“好況型倒産”も顕在化してきた。また、米国の金融政策変更や東アジア情勢など海外の政治経済動向は企業経営における不確定要素となろう。そのため、倒産件数は低水準での推移が見込まれるものの、減少傾向は底打ちする可能性がある。

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