倒産集計

2017年 8月報

倒産件数は666件、2カ月連続の前年同月比減少
負債総額は887億5400万円、2000年以降で最小

倒産件数 666件
前年同月比 ▲3.2%
前年同月 688件
前月比 ▲4.6%
前月 698件
負債総額 887億5400万円
前年同月比 ▲32.6%
前年同月 1317億7700万円
前月比 ▲13.6%
前月 1027億600万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

ポイント倒産件数は666件、負債総額は2000年以降で最小

倒産件数は666件で、前月比4.6%減、前年同月比3.2%減と、2カ月連続で前年同月を下回った。負債総額は887億5400万円で、前月比13.6%減、前年同月比32.6%減と、2カ月連続で前年同月を下回り、2000年以降で最小を記録した。


要因・背景

件数…業種別では7業種中5業種で、地域別では北海道や関東など5地域で前年同月比減少
負債総額…負債5000万円未満の構成比が65.9%と、小規模倒産が多数を占めた

■業種別

ポイント7業種中5業種で前年同月比減少

業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を下回った。このうち、卸売業(80件)が前年同月比32.8%の大幅減少となったほか、建設業(131件、前年同月比14.9%減)、製造業(78件、同10.3%減)、不動産業(16件、同20.0%減)で2ケタ減となった。一方、小売業(157件、同12.9%増)、サービス業(160件、同24.0%増)の2業種は前年同月を上回った。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」は537件、構成比は80.6%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は537件(前年同月比5.8%減)となり、3カ月連続で前年同月を下回った。構成比は80.6%(同2.2ポイント減)を占めた。
※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比65.9%、2000年以降で最高

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は439件、構成比65.9%を占めた。構成比は2017年1月の62.1%を上回り、2000年以降で最高を記録した。資本金規模別では資本金1000万円未満(個人経営含む)の倒産が435件となり、4カ月連続で前年同月を上回った。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中5地域で前年同月比減少

地域別に見ると、北海道(11件、前年同月比57.7%減)、関東(253件、同10.3%減)など5地域で前年同月を下回った。一方、東北(32件、同100.0%増)は3カ月連続、近畿(187件、同8.1%増)は4カ月連続で前年同月を上回った。3都府県では、愛知県は減少も、東京都と大阪府は増加した。

要因・背景

■上場企業倒産

上場企業の倒産は発生しなかった。

2017年では、東証1部上場のタカタ梶i民事再生法、6月)の1件が発生。

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは47.7、消費税引き上げ後最高を更新

2017年8月の景気DIは前月比0.1ポイント増の47.7となり、3カ月連続で改善した。
有効求人倍率が高水準で推移するなど雇用・所得環境が改善するなか、エコカー減税などを受けて購入した自動車や家電など耐久消費財が、買い替え時期を迎えたことはプラスに働いた。また、災害復旧・復興工事や東京五輪需要も好材料となったことで、全体のほか複数の業界・規模・地域で、2014年4月の消費税率引き上げ後の最高を更新した。一方、8月は東京都心で21日連続の降雨を記録するなど、東日本を中心に天候不順に見舞われた。長雨が夏休みやお盆と重なったことで、レジャーなどの個人向けサービスや農作物に悪影響を及ぼした。国内景気は、一部の業種や地域で長雨が響いたものの、耐久消費財の販売好調などから消費税率引き上げ後の最高を更新し、回復が続いた。

今後の国内景気は、設備投資など内需の拡大が期待され、回復傾向が続く見込み

海外経済が底堅く推移すると予測されるなか、半導体など電子部品や自動車部品の輸出増加は継続し、外需の好調が続くであろう。内需は、東京五輪関連や都市部の大型開発に加え、好調な企業収益を追い風に、人手不足対策への省力化投資など設備投資の活発化が見込まれる。また、雇用環境の改善や最低賃金引き上げを受け個人消費も緩やかに持ち直していくことが期待される。一方で、米経済政策の進捗遅れや北朝鮮問題など、海外情勢を注視していく必要があるだろう。
今後の国内景気は、堅調な外需に加え、設備投資や個人消費といった内需関連の拡大が期待されることから、回復傾向が続くと見込まれる。

今後の見通し

■金融庁がカードローンの実態調査実施へ、中小零細企業の短期資金調達への影響を注視

金融庁は9月1日、カードローンに関する情報を把握するため「カードローンホットライン」を開設した。さらに、金融庁は9月にも銀行カードローンの実態調査を実施する。日本銀行による金融緩和政策で住宅ローンなどの貸出金利が低下するなか、高い利ざやが期待できるカードローンによる融資は増加が続いている。そのため、全国銀行協会は会員行に審査体制の整備などを申し合わせるなど、業界を挙げて自主規制を行ってきた。金融庁による調査の結果次第では、銀行貸し出しの姿勢が変化する可能性もある。
中小零細企業では、短期的な運転資金などで銀行カードローンを利用するケースもあり、調査結果が注目される。

■海外情勢の不透明感増す、為替変動による影響が懸念される

海外動向では、2017年初から原油価格の緩やかな下落が続いているなかで、欧州の政治リスクはやや後退してきた。しかし、米国においては財政の債務上限問題や米連邦準備制度理事会(FRB)による資産縮小など、財政・金融政策に対する不確定要因が残る。また、東アジア周辺における緊張の高まりなど、地政学的リスクも懸念されよう。
海外情勢の先行き不透明感が高まるなかで、さまざまな問題が深刻化すれば金融市場の混乱を通じて世界経済の減速につながる可能性も否定できない。近年では、国際的なショックの発生時には円高に振れる傾向にあり、今後の為替変動には注視する必要があろう。加えて、株式市場への影響も懸念されるなど、多様化する海外リスクは好調を続ける輸出企業の業績に不確実性を深める要因になっていくとみられる。

■国内外にさまざまなリスクがあるも、倒産件数の減少傾向は底打ちの可能性

8月の倒産件数は666件(前年同月比3.2%減)となり、2カ月連続で減少した。しかし、1月から8月までの累計は5611件で、前年の同時期と比較すると1.8%増加しており、2016年まで7年間続いた倒産件数の減少傾向が変化する可能性もある。国内経済は、東京五輪関連や都市部の大型開発に加えて、省力化投資などの設備投資の活発化が見込まれる。また、個人消費では雇用環境の改善や最低賃金の引き上げもあり、緩やかに持ち直していくことが期待される。国内の景況感は消費税率引き上げ後の最高を更新するなど回復しており、今後も回復傾向が続く見通しとなっている。
他方、海外情勢における不透明感の高まりによる為替相場の動向次第では、輸出企業を中心に厳しい経営環境に直面する可能性もある。さらに、企業の46.1%が正社員不足となっており、とりわけ情報サービスや人材派遣、建設などでは6割を超える(帝国データバンク「TDB景気動向調査2017年8月度」)。こうしたなか、人手不足倒産の2017年1〜8月合計は68件(前年同期比58.1%増)発生するなど、深刻化する人手不足は企業活動に大きな影響を与えかねない状況だ。  
国内外の政治経済環境においてさまざまなリスクを抱えるなか、倒産件数は引き続き低水準で推移すると見込まれるものの、減少傾向は底打ちする可能性がある。

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