倒産集計

2017年 7月報

倒産件数は698件、6カ月ぶりの前年同月比減少
負債総額は1027億600万円、2カ月ぶりの前年同月比減少

倒産件数 698件
前年同月比 ▲1.4%
前年同月 708件
前月比 ▲7.1%
前月 751件
負債総額 1027億600万円
前年同月比 ▲19.7%
前年同月 1278億9700万円
前月比 ▲63.1%
前月 2782億9400万円

〈参考〉前月の負債総額(2782億9400万円)は、タカタ鰍フ負債額を2017年6月26日発表の1826億3300万円として集計。取材等で判明した国内主要自動車各社のリコール費用に係る求償債権の合計を含めると、前月の負債総額は1兆6082億9400万円で、前月比93.6%減

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

ポイント倒産件数は698件、6カ月ぶりの前年同月比減少

倒産件数は698件で、前月比7.1%減、前年同月比1.4%の微減となり、6カ月ぶりに前年同月を下回った。7月としては、2005年7月(675件)以来12年ぶりに600件台にとどまった。負債総額は1027億600万円で、前年同月比19.7%減と、2カ月ぶりに前年同月を下回った。


要因・背景

件数…業種別では7業種中3業種で、地域別では中部や九州など3地域で前年同月比減少
負債総額…負債5000万円未満の構成比が61.6%と、小規模倒産が多数を占めた

■業種別

ポイント7業種中3業種で前年同月比減少

業種別に見ると、製造業(86件、前年同月比15.7%減)、サービス業(150件、同4.5%減)、不動産業(17件、同26.1%減)の3業種は、3カ月ぶりに前年同月を下回った。一方、卸売業(117件、同6.4%増)は3カ月ぶり、建設業(141件、同6.0%増)と小売業(149件、同4.9%増)は2カ月ぶりに前年同月を上回るなど、4業種は前年同月比増加となった。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」は568件、構成比は81.4%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は568件(前年同月比1.7%減)となり、2カ月連続の前年同月比減少。構成比は81.4%(同0.2ポイント減)を占めた。
※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比61.6%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は430件(前年同月比3.9%増)となった。構成比は61.6%となり、依然として小規模倒産が過半を占める傾向が続いた。資本金規模別では資本金1000万円未満(個人経営含む)の倒産が452件で、構成比64.8%を占めた。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中3地域で前年同月比減少

地域別に見ると、中部(112件、前年同月比0.9%減)は5カ月ぶり、中国(25件、同21.9%減)は2カ月ぶり、九州(41件、同31.7%減)は2カ月連続と、3地域で前年同月を下回った。一方、北海道(24件、同4.3%増)、東北(34件、同9.7%増)、近畿(172件、同8.2%増)の3地域は前年同月比増加。関東(261件)など3地域は前年同月と同数だった。

要因・背景

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは47.6、回復続く

2017年7月の景気DIは前月比0.8ポイント増の47.6となり、2カ月連続で改善した。
東京五輪関連工事や大規模開発に加え、大型物流拠点やホテルの建設が継続するなか、梅雨に首都圏などで降水量が少なかったことが工事進捗へプラスに働いた。猛暑を受けた冷暖房工事や災害復旧・復興工事も堅調に推移し、建設業が景気判断の分かれ目となる50を2015年3月以来2年4カ月ぶりに上回った。また、夏物商品や建設関連貨物の増加を受けた自動車運送が上向いたほか、製造業ではスマートフォンの高性能化による電子部品市場の活況や国内外の省力化需要などが好材料となった。大企業は2014年3月以来3年4カ月ぶりに50を超えた。国内景気は、旺盛な建設投資や猛暑が寄与するかたちで大企業や建設業が50を上回るなど、回復が続いた。       

今後の国内景気は、輸出の継続や建設関連、設備投資もけん引役となり回復傾向続く

今後は、開催まで3年を切った東京五輪および訪日外国人旅行客を見据えた投資、好調な企業収益や省力化需要を背景とした設備投資が景気を押し上げていくとみられる。個人消費は、雇用情勢の改善や最低賃金の引き上げに加えて、夏の季節商品・サービスの需要拡大も期待され、緩やかな回復が見込まれる。さらに、世界のGDPの約3割を占める自由貿易圏を生み出す日欧EPA交渉が大枠合意に達したことは、好調な輸出動向にプラスに働いていくであろう。他方、米連邦準備制度理事会(FRB)による資産縮小や国内の政治動向は景気を下押しする可能性も懸念される。
今後の国内景気は、好調な輸出の継続に加え、建設関連および設備投資もけん引役となり、回復傾向が続く見込み。

今後の見通し

■人件費上昇による固定費増が収益を圧迫、人手不足が背景に

有効求人倍率が高度経済成長期直後の水準まで上昇し、完全失業率も1994年以来となる2%台に低下するなど、労働市場のひっ迫は一段と深刻度を増してきており、7月の人手不足倒産(12件)は前年同月比3倍に増加した。
こうしたなか、人件費は中堅企業を中心に増加傾向を示している。塗装・防水工事の東和産工(負債3億2300万円、東京都、破産)や高齢者向け介護施設の運営を行っていたほくおうサービスなど5社(負債合計43億3400万円、北海道、破産)など、人件費を含む固定費負担の増加を背景とした収益圧迫で倒産に至るケースが出てきた。
国内経済の回復には賃金上昇を起点とした消費拡大が欠かせず、企業側は賃金の引き上げを行う傾向が高まっている(帝国データバンク「2017年度の賃金動向に関する企業の意識調査」)。しかしながら、人手不足が長期化するなかで、業績が改善する前に労働力の定着・確保を第一に捉えて賃上げを実施する企業も多く、収益悪化により倒産を余儀なくされる企業が増加する懸念がある。

■後継者不在企業に新たな支援策

中小・零細企業を中心に後継者不在や代表の高齢化が深刻化しているなか、社長が60歳以上の企業では50.0%、オーナー企業では71.2%で後継者が不在となっている。こうしたなか、中小企業庁は、2016年12月に「事業承継ガイドライン」を策定したほか、事業承継ネットワーク構築事業を開始するなど、中小企業の事業承継問題への取り組みを強化する動きを進めている。また、後継者不在の中小企業を支援するため、新たなデータベースと支援組織を構築し、商工会議所や金融機関を通じて、事業を安定的に継続する体制づくりを図っている。後継者の不在により、事業承継が円滑に進まず、事業の先行きに見通しが立たないことを理由として法的整理を選択する企業もあるため、こうした制度整備は倒産件数の抑制につながるとみられる。

■倒産件数、減少傾向は底打ちの可能性

国内経済では、個人可処分所得の増加で個人消費は緩やかな回復が予測されるほか、訪日外国人旅行客の増加や東京五輪を踏まえた設備投資も加わり、景気が押し上げられると見込まれる。また、国内の政治動向では、改造内閣が発足し、国内外の諸問題に対応することが期待される。
他方、7月の倒産件数は698件となり、6カ月ぶりに前年同月から減少した。しかし、東京都(142件)が6カ月連続で増加したほか、大阪府(97件)と愛知県(49件)を含めた3都府県が揃って増加した。海外動向では、米連邦準備制度理事会(FRB)の資産縮小による影響のほか、中東などの地政学的リスクを含め、先行き不透明感が高まっている。海外リスクが顕在化すると、近年の「有事の円買い」は為替変動リスクを高める要因ともなりえよう。倒産件数は1〜7月累計で4945件(前年同期比2.6%増)となっており、低水準ながらも減少傾向は底打ちの可能性がみられる。

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