倒産集計

2017年 6月報

倒産件数は751件、5カ月連続の前年同月比増加
負債総額は2782億9400万円、3カ月ぶりの前年同月比増加
(タカタ(株)への求償債権判明額を含めると、1兆6082億9400万円)

倒産件数 751件
前年同月比 +0.5%
前年同月 747件
前月比 ▲4.2%
前月 784件
負債総額 2782億9400万円
前年同月比 +172.0%
前年同月 1023億3000万円
前月比 +189.4%
前月 961億7200万円

〈参考〉上記負債総額は、タカタ(株)の負債額を6月26日発表の1826億3300万円として集計。取材等で判明した国内主要自動車各社のリコール費用に係る求償債権の合計を含めると、負債総額は1兆6082億9400万円(前年同月比1471.7%増、前月比1572.3%増)

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

ポイント倒産件数は751件、5カ月連続の前年同月比増加

倒産件数は751件で、前月比では4.2%減少したものの、前年同月比では0.5%の微増となり、5カ月連続で前年同月を上回った。負債総額は2782億9400万円で、前月比で189.4%の増加、前年同月比でも172.0%の増加となり、3カ月ぶりに前年同月を上回った。

〈参考〉上記負債総額は、タカタ(株)の負債額を6月26日発表の1826億3300万円として集計。取材等で判明した国内主要自動車各社のリコール費用に係る求償債権の合計を含めると、負債総額は1兆6082億9400万円(前年同月比1471.7%増、前月比1572.3%増


要因・背景

件数…業種別では7業種中4業種で、地域別では中部や近畿など5地域で前年同月比増加
負債総額…負債5000万円未満の構成比が60.6%と、小規模倒産が多数を占めた

■業種別

ポイント7業種中4業種で前年同月比増加

業種別に見ると、7業種中4業種で前年同月を上回った。なかでも、不動産業(26件、前年同月比18.2%増)、サービス業(173件、同7.5%増)、製造業(100件、同6.4%増)は2カ月連続の前年同月比増加。一方、建設業(132件、同11.4%減)と小売業(159件、同5.4%減)は4カ月ぶりの前年同月比減少となった。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」は632件、構成比は84.2%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は632件(前年同月比0.2%減)、構成比は84.2%となった。なかでも、販売不振(618件、前年同月比1.3%増)は4カ月連続で前年同月を上回った。
※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比は60.6%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は455件(前年同月比6.1%増)となった。構成比は60.6%となり、依然として小規模倒産が過半を占める傾向が続いた。資本金規模別では資本金1000万円未満(個人経営含む)の倒産が488件で、構成比65.0%を占めた。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中5地域で前年同月比増加

地域別に見ると、中部(129件、前年同月比14.2%増)は4カ月連続で、四国(15件、同50.0%増)と近畿(200件、同1.5%増)は2カ月連続で前年同月を上回るなど、9地域中5地域で前年同月比増加となった。一方、北海道(24件、同4.0%減)は6カ月ぶりに、関東(251件、同5.6%減)は5カ月ぶりに前年同月を下回った。

要因・背景

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは46.8、回復続く

2017年6月の景気DIは前月比0.3ポイント増の46.8となり、前月の横ばいを挟みながら改善傾向で推移した。有効求人倍率(5月)が43年3カ月ぶりの高水準となり、日経平均株価も1年半ぶりに2万円を回復した。こうしたなか、夏のボーナスで支給対象者および総額の増加が見込まれることも消費マインドにプラスに働き、耐久消費財関連が好調な「小売」が同1.9ポイント増と大きく改善。加えて、国内や中国向け自動車関連の生産好調および電子部品の輸出拡大を受けた「製造」、IT需要の拡大が追い風となった情報サービスを含む「サービス」が景気を押し上げた。一方で、トラックドライバーの深刻な人手不足が響いた「運輸・倉庫」は悪化した。国内景気は、夏のボーナスが個人消費を刺激したほか、自動車関連生産の好調やIT需要の拡大が寄与し、回復が続いた。       

今後の国内景気は、設備投資需要や東京五輪需要で回復傾向が続く

国内景気は、世界経済の拡大を受け輸出や生産の好調継続に加え、東京五輪開催に向けた建設関連特需や成長戦略推進が景況感を押し上げていくと見込まれる。また、好調な企業業績や人手不足による省力化需要を受けて大手を中心に設備投資が増加し、良好な雇用環境から個人消費は緩やかに拡大することが予測される。一方で、海外は米連邦準備制度理事会(FRB)のさらなる利上げや資産縮小、日欧EPA(経済連携協定)の行方が注目される。加えて、米欧の政治経済情勢や地政学的リスクの顕在化など、先行きに不透明感は残る。
今後の国内景気は、海外情勢に不透明感は残るものの、輸出や生産の好調を受けた設備投資の拡大や東京五輪特需もあり、回復傾向が続くことが見込まれる。

今後の見通し

■倒産件数は4247件、8年ぶりに前年同期比増加

2017年上半期の企業倒産は4247件となり、前年同期(2016年1〜6月:4114件)を3.2%上回り、リーマン・ショックの影響を受けた2009年上半期(2009年1〜6月)以来8年ぶりに増加した。負債総額は8658億2000万円で、前年同期(7677億9600万円)を12.8%上回った。上半期の負債総額が増加したのは、エルピーダメモリをはじめ負債100億円以上の大型倒産が18件発生した2012年上半期(2012年1〜6月)以来5年ぶりとなった。

■タカタ民事再生手続き開始で、企業の説明責任に対する重要性増す

6月28日、東証1部上場企業で世界トップクラスの自動車安全装置製造のタカタ(負債1826億3300万円、東京都)は、東京地裁より民事再生手続き開始決定を受けた。国内主要自動車メーカー各社の求償債権判明額を加算したタカタの負債額は約1兆5000億円に達するとみられ、製造業としては戦後最大の倒産となる見込みだ。2004年以降に発生した同社製エアバッグの不具合・異常破裂に伴う大規模リコール問題が経営を圧迫する一方、原因究明の遅れにより同社への信頼が低下したことも遠因になったといえよう。今後は、少額弁済の対象から外れた取引先や仕入先などへの影響が懸念されるほか、中長期的には、タカタの事業譲渡先である米自動車部品製造のキー・セイフティー・システムズ(KSS)による取引先選別の有無も注目点となってこよう。
近年の企業不祥事や製品事故等により、初期段階における原因究明のほか、利害関係者(ステークホルダー)に加えて社会に対する説明責任の重要性も再認識されている。情報提供に関する対応を誤ると、企業業績・事業存続の問題にまで発展することが改めて浮き彫りとなった。

■休眠預金の活用、地域経済活性化で業績への好影響を期待

毎年1200億円程度発生している休眠預金の活用方法などに関して、休眠預金等活用審議会で議論が進められている。休眠預金の活用においては、各地域の実情や特性を配慮しながら、主に1.子どもおよび若者の支援、2.日常生活等を営む上で困難を有する者の支援、3.地域活性化等の支援の3分野に係る活動が中心となる。これまでに、企業に対しては、経営支援・伴走支援など非資金的支援の重視、成果志向の資金供給を推進し、過度な公平性・一律性、縦割り、複数年度助成を含む単年度主義からの脱却などが合意されてきた。休眠預金の減少および活用は地方振興策に向けた資金投入の財源として期待されるとともに、金融機関の負債軽減や業界再編、事業性評価、中小企業振興策などを通じて地域経済の活性化が実現することで、企業業績に好材料となることが期待される。

■倒産件数の減少傾向に底打ちの兆しも、当面は低水準での推移が続く見込み

深刻化する人手不足は企業活動を大きく制約する要因となっている。企業の4割超が人手不足を認識しているなか、人材確保・定着を目的とした人件費上昇などが企業業績を圧迫し、上半期に「人手不足倒産」が49件発生する要因ともなった。また、東京都議会選挙など地方選挙による結果が、今後の政治情勢の不確定要素となる可能性もある。海外動向では、FRBの利上げや日欧EPAの行方、中東や北朝鮮など地政学的リスクの顕在化など、先行きに対する不透明感が残る。こうした国内外の政治経済情勢に対するリスクが高まるなか、2月以降の倒産件数は前年同月と比べて5カ月連続で増加しており、倒産件数の減少傾向には底打ちの兆しが表れている。
しかしながら、国内景気は、企業業績が好調さを維持しているほか、世界経済の拡大を背景に輸出や生産の好調継続、東京五輪に向けた建設関連特需が好材料となっている。また、有効求人倍率が43年3カ月ぶりの高水準を記録するなど、良好な雇用・所得環境を通じて個人消費は緩やかに改善していくと予測される。そのため、倒産件数は低水準での推移が続くと見込まれる。

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