倒産集計

2015年報
2015年(平成27年) 1月1日〜12月31日

倒産件数は8517件、6年連続の前年比減少も、
2015年第4四半期は増加に転じる負債総額は2兆108億800万円、3年ぶりの前年比増加

倒産件数 8517件
前年比 ▲7.2%
2014年 9180件
負債総額 2兆108億800万円
前年比 +7.7%
2014年 1兆8678億円

■件数

ポイント6年連続の前年比減も、第4四半期は前年同期比増加に転じる

2015年の倒産件数は8517件(前年9180件、前年比7.2%減)と、6年連続で前年を下回り、2005年(8225件)以来、10年ぶりに9000件を下回った。四半期ベースでみると、第3四半期まで一貫して減少基調で推移していたものの、第4四半期は、2013年第2四半期以来、10四半期ぶりの前年同期比増加に転じた。

要因・背景

■負債総額

ポイント3年ぶりの前年比増加

2015年の負債総額は2兆108億800万円(前年1兆8678億円)と、前年を7.7%上回り、3年ぶりの前年比増加となった。四半期ベースでみると、第2四半期を除く3四半期で前年同期を上回り、とくに第3四半期以降は、2四半期連続で前年同期比2ケタの大幅増加となった。

要因・背景

■業種別

ポイント全業種で前年比減、建設業と製造業は2000年以降最少

業種別に見ると、全7業種で前年を下回った。なかでも建設業(1612件、前年比13.3%減)、運輸・通信業(345件、同16.5%減)、不動産業(270件、同15.4%減)の3業種は前年比2ケタの大幅減少。また、建設業は7年連続で、製造業(1200件、同2.0%減)は6年連続で減少し、ともに2000年以降で最少だった前年をさらに下回った。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」の構成比は83.9%、2年連続の前年比増加

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は7149件(前年7593件)となった。構成比は83.9%(前年82.7%)と、前年を1.2ポイント上回り、2年連続の前年比増加となった。

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の小規模倒産、構成比は56.4%

負債額別に見ると、負債5000万円未満の小規模倒産は4802件と、前年(5069件)を5.3%下回ったものの、構成比は56.4%と2009年(42.5%)以降7年連続の増加で、2000年以降で最高。一方、負債100億円以上の大型倒産は16件(前年8件)と、3年ぶりに前年を上回った。

要因・背景

■地域別

ポイント全地域で前年比減、北陸は21.5%の大幅減少

地域別に見ると、全9地域で前年を下回った。なかでも北陸(230件、前年比21.5%減)は12月を除く11カ月で、中国(367件、同15.0%減)は10カ月で、ともに前年同月を下回り、前年比2ケタの大幅減少となった。

要因・背景

■態様別

ポイント会社更生法と民事再生法、2000年以降で最少

態様別に見ると、破産は7985件(前年8605件)と前年比7.2%の減少となり、2005年(7256件)以来、10年ぶりに8000件を下回った。このほか、会社更生法(1件)と民事再生法(246件)は、ともに2000年以降最少だった前年をさらに下回った。一方、特別清算は285件(前年282件)と、唯一前年を上回った。

要因・背景

■上場企業倒産

2015年の上場企業倒産は、いずれも東証1部上場のスカイマーク(株)(民事再生法、1月)、江守グループホールディングス(民事再生法、4月)、第一中央汽船(株)(民事再生法、9月)の3件が発生した。

東証1部上場企業の倒産としては、2012年(エルピーダメモリ(株)など)以来、3年ぶり。

■主な倒産企業

2015年の負債トップは、ラムスコーポレーション(株)(会社更生法、12月)の1400億円。(株)MARU(旧:AIJ投資顧問(株)、破産、12月)の1313億円、第一中央汽船(株)(民事再生法、9月)の1196億800万円がこれに続く。
負債1000億円以上の倒産は2009年(6件)以降、7年連続で1ケタ台にとどまった。

■注目の倒産動向

円安関連倒産 352件判明、前年比2.0%増で2年連続増加

円安の影響を受けた円安関連倒産は2015年は352件判明し、2年連続増加ながら前年同期比2.0%と微増にとどまった。円安進行が一服した後半にかけては、低水準で推移し、2015年下期は121件にとどまり、同上期(231件)に比べてほぼ半減した。

チャイナリスク関連倒産 80件判明、前年比53.8%増と大幅増加

中国経済の減速が顕在化するなか、「コスト増」や「中国取引先の業績悪化」など中国固有のリスクが要因となったチャイナリスク関連倒産は80件判明し、前年比53.8%増と大きく増加した。負債総額も大型倒産が続き、2208億4800万円(前年比668.7%増)となった。

今後の見通し

■倒産件数は8517件、2年連続で1万件を下回り2000年以降3番目の低水準

2015年の企業倒産件数は8517件と、2年連続で1万件を下回り、全業種および全地域で前年比減となった。業種別では、建設業(前年比13.3%減)、運輸・通信業(同16.5%減)、不動産業(同15.4%減)が減少率2ケタ台となり、特に民需を中心に建設投資拡大の追い風を受けた建設業は7年連続で前年比減少、構成比も18.9%と、2006年の27.9%と比べ9.0ポイント減少し減少傾向が顕著となった。構成比を見れば、小売業が21.2%(2006年:17.2%)、サービス業は20.6%(同:16.7%)と、2年連続で全体の2割を超え、消費の回復が遅れていることが倒産動向にも表れつつある。 態様別では民事再生法による倒産が246件(前年比15.5%減)と、前年(291件)を下回り、同法施行(2000年4月)以降、年間件数最少を更新した。2013年以降、3年連続して減少率2ケタ台と大きく減少している背景には、再建型手続きが困難な中小零細企業の倒産が増加していることに加え、事業再生ADRや中小企業再生支援協議会の活用、各種ファンドの活用、特別清算を活用した第二会社方式による事業継続など、事業再生の選択肢が多様化している点がある。

■不透明な運用や偽装など、不祥事が企業や事業の存否を問う時代に

「企業統治元年」と言われた2015年は、6月に上場企業に対して「企業統治指針」の適用が開始され、企業のガバナンスやコンプライアンスへの注目度がより高まった。そうしたなか相次いで発覚したのが企業による不祥事だ。診療報酬債権を運用していたオプティファクター(11月、破産)や、企業年金の運用を受託していたMARU(旧:AIJ投資顧問、12月、破産)など、不透明な資産運用を巡り証券取引等監視委員会の調査や摘発を受けた企業の大型倒産も続いた。不祥事やトラブルで企業や事業の存否が問われるのは大企業に限ったことではなく、肥料の成分表示偽装を長年続けていた太平物産(11月、民事再生法)や、学校給食での異物混入で自治体から契約を解除された徳島屋(12月、民事再生法)などが倒産した。不祥事やトラブルは取引先や消費者離れに直結し、企業規模を問わず市場からの退出を余儀なくされる時代であることが鮮明となっている。

■人手不足や資金調達難での倒産も、「海外情勢」など国内外の複合リスク懸念

近年の倒産の低位推移は、2013年3月の金融円滑化法の期限到来後も金融機関が高水準で中小企業の弁済リスケに応じているという政策面での抑制力が大きい。2016年の景気のベストシナリオとして期待されるのは、自動車や化学、ゼネコンなど大手企業の好業績に支えられ、雇用・所得環境の改善が続き、流通、サービスなど国内需要の本格回復につながり、消費増税を前に住宅や自動車など高額商品の駆け込み需要の開始も景気押し上げ要因となることだ。ただし、雇用環境の改善にともない建設業や飲食業、サービス業、運送業など幅広く人手不足感が高まることが予想されるほか、弁済リスケを受けている企業の中にはすでに過大な金融債務を抱えている企業も多く、新規融資が受けられず資金調達ができなかった場合は倒産を余儀なくされるケースも発生しよう。

一方、各種リスクも山積している。その筆頭が不安定な海外情勢だ。欧州でのテロの脅威や難民問題に加え、年明けから中東情勢の変動や北朝鮮の核実験など地政学リスクが高まっているなか、日米株安に加え上海株式市場では株価急落でサーキットブレーカーが連続して発動されるなど波乱の幕開けとなった。海外情勢の不安定さは原油価格や株式・為替動向の変動に直結する。原油安による燃料価格の下落はプラスとなる業界がある一方で、国内市場縮小で安値販売競争に陥っているガソリンスタンド経営業者への影響は必至だ。また、円安基調が定着しつつあるなかでの想定外の急激な為替変動は、繊維や食品など輸入商材への依存度が高い業界を直撃する。

国内では、今冬の暖冬による小売業やサービス業への影響など、気候や災害による自然リスク懸念のほか、昨年発生したくい打ちデータ改ざん問題の影響を受け地方の一部では建設工事の先延ばしが発生するなど、同問題が建設業界に及ぼす影響が顕在化しつつある。2016年夏の参院選や2017年に予定される消費税率10%への引き上げを前に、現政権では法人税減税や設備投資への優遇措置を取り入れており、ゾンビ企業の処理を加速させる様な金融政策の見直しを行うことは考えづらい。ただし、2016年は国内外における各種のリスクが複合的に影響し、倒産が増加傾向に転じる可能性は否定できず、予断を許さない状況が続く。

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