倒産集計

2015年度上半期報
2015年(平成27年)4月〜9月

倒産件数は4217件、リーマン・ショック後最少を記録
負債総額は8485億8700万円、4期連続の前年同期比減少

倒産件数 4217件 負債総額 8485億8700万円
倒産件数
4217件
負債総額
8485億8700万円
前期比 件数 ▲1.8% 前期 4294件
負債 ▲12.7% 前期 9725億5900万円
前年同期比 件数 ▲11.2% 前年同期 4750件
負債 ▲7.2% 前年同期 9144億7200万円
前期比
件数 前期
▲1.8 4294件
負債 前期
▲12.7% 9725億5900万円
前年同期比
件数 前年同期
▲11.2% 9144億7200万円
負債 前期
▲12.7% 9725億5900万円

主要ポイント

調査結果

■件数

ポイントリーマン・ショック後最少を記録

倒産件数は4217件と、前年同期の4750件に比べ11.2%減少した。年度半期別では、2008年9月のリーマン・ショック以降最少となった。四半期別では、2012年度第1四半期以降14期連続の前年同期比減少となり、2004年度第4四半期(1821件)以来の2000件割れとなった。

要因・背景

■負債総額

ポイント4期連続の前年同期比減少

負債総額は8485億8700万円で、前年同期の9144億7200万円に比べ7.2%減少、年度半期ベースでは2013年度下半期以降4期連続の前年同期比減少となった。また、リーマン・ショックが発生した2008年度上半期(8兆4533億1800万円)から約10分の1まで減少した。

要因・背景

■業種別

ポイント7業種すべてで前年同期比減少

業種別に見ると、2010年度上半期以来5年ぶりに7業種すべてで前年同期を下回った。なかでも、運輸・通信業(前年同期比27.1%減)をはじめ、建設業(同17.0%減)、不動産業(同16.9%減)、卸売業(同11.2%減)の4業種で減少率2ケタを記録した。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」の構成比は84.5%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は3562件(前年同期3947件)、前年同期比9.8%の減少となり、年度上半期別では2011年度以降4年連続の減少となった。構成比は84.5%と前年同期を1.4ポイント上回った。

要因・背景

■規模別

ポイント負債50億円以上の倒産件数、リーマン・ショック後2番目の低水準

負債額別では、負債5000万円未満の小規模倒産は2408件、前年同期の2608件を7.7%下回った。また、負債50億円以上の倒産はリーマン・ショック以降で2013年度上半期(13件)に次いで少ない17件となり、最多の2008年度下半期(127件)と比べ86.6%減少している。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域すべてで前年同期比減少

地域別に見ると、2010年度上半期以来5年ぶりに9地域すべてで前年同期を下回った。なかでも北陸(前年同期比32.7%減)や四国(同28.4%減)など5地域は、減少率が2ケタ台となった。

要因・背景

■態様別

ポイント破産の構成比94.3%、13期連続で90%以上を占める

態様別に見ると、破産は3978件(前年同期4447件)で構成比は94.3%となり、2009年度上半期以降13期連続で90%以上を占めた。一方で、民事再生法は116件にとどまり、2000年4月に施行されて以降、最少件数を記録した。

要因・背景

■上場企業倒産

2015年度上半期の上場企業倒産は、東証1部上場の江守グループホールディングス(株)(民事再生法、4月)、同じく東証1部上場の第一中央汽船(株)(民事再生法、9月)の2件となり、年度上半期としては2013年度上半期以来2期ぶりの発生となった。
上場企業の倒産件数は3年ぶりに前年度を上回った。

■大型倒産

負債トップは、第一中央汽船(株)(9月、民事再生法)の1196億800万円。江守グループホールディングス(株)(4月、民事再生法)の711億円、名阪ワシントンクラブ(株)(8月、破産)の144億円がこれに続く。

■注目の倒産動向

チャイナリスク関連倒産 2015年度上半期は41件発生

中国経済の減速感が強まり、日本経済へ及ぼす影響への関心が高まっている。
2015年度上半期は、東証1部上場の江守グループホールディングス(株)(5月上場廃止)が、中国子会社において売掛債権の回収難が発生したことで、約462億円の特別損失を余儀なくされ、4月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請したほか、6月には(株)LIXILグループ(東証1部)が中国子会社の破産により、同グループに最大約662億円の損失が発生する可能性があると発表。8月には天津市の倉庫爆発事故で、日系メーカーなどがやむなく工場を一時操業停止するなど、中国での事業展開におけるリスク(チャイナリスク)が改めて浮き彫りとなった。

チャイナリスクを要因とする倒産は、2015年度上半期は41件と、前年同期比で36.7%増加している。帝国データバンクの調査(2015年6月時点)では、1万3256社の日本企業が中国に進出しているが、人件費上昇で採算確保が困難になっている中小企業や、中国法人や現地法人(関係会社)からの未回収金が長期滞留している中小企業は水面下で少なくないと見られ、倒産リスク要因のひとつとして、注視していく必要がある。

今後の見通し

■大企業の再編や事業再構築、取引先企業へ波及

9月29日、東証1部上場の第一中央汽船が、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した(負債1196億800万円、10月5日付けで再生手続き開始決定)。2015年度における上場企業倒産としては2件目となった。過去の船舶投資負担や海運市況の悪化が倒産原因としてあげられたが、注目されたのは取引先企業の再編による影響だ。同社は住友金属工業と長く取引関係にあり、2012年に新日本製鐵と住友金属工業が合併し新日鐵住金が誕生したことでグループ内の海運会社との統合の可能性が注目されていた。しかし、鉄鋼減産による輸送需要の減少や海運市況のさらなる悪化もあり、最終的に統合案は見送られたようだ。

近年、国内外の市場環境の変化にともない、企業間をまたぐ事業統合や再編は珍しくない。東芝やシャープなど大手電機各社も大規模な事業再構築に取り組んでおり、その過程で、取引関係の見直しや事業所の移転、閉鎖などが行われた場合、取引先や地域経済への影響は免れない。依存度の大きい一次下請や二次下請、財務内容が弱体化している取引企業などへの影響には、今後注視していく必要があるだろう。

■企業倒産のトレンドは当面は低水準、金融支援は継続

2015年度上半期の企業倒産件数は4217件と前年同期比11.2%の大幅減少、負債総額は8485億8700万円と同7.2%の減少となった。前期比でもそれぞれ倒産件数(1.8%減)、負債総額(12.7%減)ともに減少しており、企業倒産は依然として減少傾向が続いている。

業種別では、全ての業種が前年同期比で減少を示すなか、建設業803件(前年同期比17.0%減)、卸売業649件(同11.2%減)、運輸・通信業161件(同27.1%減)などは減少率2ケタ台を記録した。倒産が低水準で推移する背景には、金融機関による支援の維持が大きい。

金融庁が9月18日に発表した平成27事務年度の「金融行政方針」では、重点政策が市場の公正性・透明性、金融システムの健全性の維持やIT化や国際化への対応などとなっており、不良債権処理方針や中小企業への融資および支援姿勢は大きく変わらないとみるべきであろう。

■内需セクターは安定も、新たなリスクに注目

今春以降食品の値上げが続き、消費者の生活防衛意識は根強いながらも、百貨店、スーパー、コンビニエンスストアなど主要流通業界の売り上げ推移は堅調で、ホテル・旅館などサービス分野もインバウンド需要の取り込みが寄与し、国内需要は底堅い動きが続いている。有効求人倍率(季節調整値)もバブル期並みの高水準が続くなど、雇用環境も改善しており、ペースは緩やかながら景気回復下にあり、倒産が大きく増加に転じる材料に乏しい。少なくとも年内いっぱいは低水準傾向が続くことが見込まれる。

ただし、懸念材料はゼロではない。経済産業省が発表した8月の鉱工業生産指数(速報値、季節調整済)は97.0と前月比で0.5%下回り、2カ月連続で前月を下回るなど、中国経済の減速の影響を受け工作機械や産業機械で生産活動がやや弱まっている。今後、中国向けの生産や輸出が減少すると幅広い業種への波及が懸念され、チャイナリスクを含めた新興国を中心とする海外経済の先行きの不透明感は払拭されていない。

倒産の低水準傾向が続くなか、9月に公表された安倍政権の『新三本の矢』では「希望を生み出す強い経済」が掲げられ、その具体的政策が期待されている。一方で、前述のとおり中国経済の減速やそれに伴う世界的金融の混乱懸念、国内では人手不足や円安の定着によるコスト高に加えて、公共工事の発注が前年度を下回る状況も続いており、これらリスク要因の動向次第では企業倒産が増加に転じる可能性も否定できない。

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