倒産集計

2014年度報
(2014年4月1日〜2015年3月31日)

倒産件数は9044件、8年ぶりの1万件割れ
負債総額は1兆8870億3100万円、6年連続の前年度比減少

倒産件数 9044件
前年比 ▲10.5%
2013年 1万102件
負債総額 1兆8870億3100万円
前年比 ▲31.3%
2013年 2兆7473億9300万円

主要ポイント

調査結果

■件数

ポイント8年ぶりの1万件割れ

倒産件数は9044件と、2013年度の1万102件に比べ10.5%減少し、8年ぶりの1万件割れとなった。四半期別では4期すべてで前年同期比減少、月別では2月まで19カ月連続の前年同月比減少となるなど、12カ月中11カ月で前年同月を下回った。

要因・背景

■負債総額

ポイント6年連続の前年度比減少、2000年度以降で最小

負債総額は1兆8870億3100万円と、2013年度の2兆7473億9300万円に比べ31.3%の大幅減少で、6年連続で前年度を下回り2000年度以降で最小となった。四半期別では第4四半期を除く3四半期が前年同期比減少、月別では合計8カ月で前年同月を下回った。

要因・背景

■業種別

ポイント7業種中6業種で前年度比減少

業種別に見ると、前年度と同数となった不動産業(303件)を除く6業種で前年度を下回った。なかでも、建設業(1800件、前年度比17.6%減)、製造業(1210件、同16.4%減)、卸売業(1375件、同12.5%減)の3業種は前年度比2ケタの大幅減少となった。建設業は6年連続の前年度比減少で、2000年度以降で最少を記録した。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」の構成比は82.5%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は7457件(前年度8376件)となり、構成比は82.5%と前年度(82.9%)を0.4ポイント下回った。一方、「設備投資の失敗」(70件、前年度比14.8%増)が2年連続で前年度を上回った。

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の小規模倒産が過半数を占める

負債額別に見ると、負債5000万円未満の小規模倒産は4981件と、前年度(5558件)を10.4%下回ったものの、構成比は55.1%と全体の過半数を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は13件(前年度19件)にとどまり、2000年度以降で最少となった。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中8地域で前年度比減少

地域別に見ると、9地域中8地域で前年度を下回り、なかでも北陸(282件、前年度比21.0%減)、中部(1217件、同20.1%減)、近畿(2248件、同11.7%減)、中国(414件、同11.2%減)の4地域は前年度比2ケタの大幅減少となった。一方、四国(194件、同18.3%増)のみ前年度を上回った。

要因・背景

四国は、公共工事減少により建設業(42件)が前年度比16.7%増加したほか、全国展開企業進出による地場企業への影響などから食品関連業者(37件)が同117.6%増加。

■態様別

ポイント破産の構成比は93.3%

態様別に見ると、破産は8440件(前年度9508件)と前年度比11.2%の減少となったものの、構成比は93.3%と高水準が続いた。このほか、民事再生法(290件)も前年度比2ケタの大幅減少となった一方、特別清算(312件)は2年連続で前年度を上回った。

要因・背景

■上場企業倒産

■大型倒産

■注目の倒産動向

企業倒産件数移動平均    法的整理件数はピーク時に比べ3割以上減少

倒産件数は、決済の集中度合いや営業日数の増減などの季節要因が大きく影響するため、単月ベースでの単純比較には限界がある。長期的な観点から倒産件数推移を捉えるには、「移動平均」を用いた分析が有効である。

2000年の民事再生法施行以降、倒産処理法の主流が、任意整理から法的整理にシフトするなか、法的整理はその件数を伸ばし、2003年6月の878件が1年移動平均値の1回目ピークとなった。一時は、セーフティネット保証、借換保証など政府の支援策によって中小企業の倒産が抑制される局面を迎えたものの、その後、構造的不況などを背景とした販売不振を主な要因とする中小零細企業倒産が再び増加。また、改正貸金業法、改正建築基準法の負の部分に影響され倒産に至る企業が増えてきた。こうしたなかリーマン・ショックが発生。建設業や不動産業を中心として大型倒産が相次ぎ、2009年8月にはピークとなる1年移動平均値1148件を記録した。

2009年12月に中小企業金融円滑化法が施行されると、倒産件数は減少の一途を辿る。政権交代後の公共工事の増加、為替市場が円安に振れたことによる輸出産業の収益性改善、また、同法の期限到来後も同様の措置を金融庁が金融機関に求めたことも倒産を抑制する要因となっており、現時点での法的整理はピーク時に比べ3割以上減少した水準で推移している。 ※移動平均とは、連続する一定期間のデータの平均値を毎月1カ月ずつずらして計算したもの。2015年3月の1年移動平均=(2014年4月+2014年5月・・・+2015年3月)÷12

今後の見通し

■貸付債権買い取りスタートも、倒産抑制効果や地域活性化につながるかは未知数

3月31日、地域経済活性化支援機構は2014年10月から新たに始めている「特定支援業務」において、同日までに140社についての打診を受け、うち3件について特定支援決定を行ったと発表した。「特定支援業務」とは、同機構が金融機関等から経営者保証の付された貸付債権等を買い取り、零細企業経営者の再チャレンジを支援するもの。もちろん、一般債権の弁済の目処が立たない場合は利用できないスキームであるが、重い金融債務負担により先行きの見通し難に陥っている事業者が、自己破産を回避し、円滑な退出(廃業)をするためには有用なスキームである。

同スキームが定着すれば、法的整理入りする前に、つまり、倒産する前に転廃業する事業者が増加し、企業倒産件数の減少につながると想定される。しかし、“140分の3”という数字からもわかるように、同スキーム定着には時間がかかるとみられる、また、「事業の失敗が人生の失敗とならないように」という経営者保証に関するガイドラインの精神を色濃く表すスキームであるものの、地域経済の活性化につながるかは未知数である。不幸な経営者を減らすだけではなく、政府が成長戦略で掲げている“新陳代謝”を促進させることによって地域から競争力を持った企業が数多く出てこなければならない。人口減少と経済規模縮小のスパイラルに陥る前に。

■生活必需品値上げ、小売業へのしわ寄せを警戒

牛乳、ヨーグルト、チーズ、コーヒー、トマトケチャップ、チョコレート、ウイスキー・・・。多くの飲食料品が4月1日出荷分より値上げされた。値上げ幅は数%から20%程度まで様々。乳製品が一斉に値上げされる背景には、飼料価格高騰や離農による生乳生産者戸数・乳牛飼養頭数の減少により国内の生乳生産環境が厳しくなっていることがある。コーヒーやトマトケチャップなどは、世界的な農産物価格の上昇と、急速に円安が進んだ為替相場の影響によるコスト増加が、企業努力により吸収できる範囲を超えたため値上げせざるを得なくなったという。また、4月1日から輸入小麦の政府売渡価格が3.0%引き上げられることを受け、小麦粉も製粉メーカー各社が6月中旬より値上げすることを決定しており、生活必需品の値上げラッシュは当面続きそうだ。

総務省統計局が3月27日に公表した「家計調査(二人以上の世帯)」によると、2月の消費支出(速報値)は26万5632円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べ2.9%の減少。消費税率引き上げが実施された2014年4月以降11カ月連続で前年同月比減少となっている。下げ幅が前月(前年同月比5.1%減)よりも縮小しており持ち直しているとの見方もできるが、4月以降の生活必需品の値上げにより、消費マインドが一層冷え込む可能性もある。もっとも、今回の値上げラッシュはメーカーや卸売業者が発表しているもの。過去の小売業の倒産事例では、仕入価格上昇時に消費マインド低下を警戒し価格転嫁しなかった結果、資金繰り難に陥ったケースは珍しくない。小売業の2014年度の倒産は1829件で前年度比7.7%減少だが、今後、消費マインド低下だけではなく、小売業に対するしわ寄せも合わせて警戒する必要があろう。

■2015年度の企業倒産は、建設需要・個人消費マインド・為替相場に左右される

2014年度の企業倒産件数は9044件で前年度比10.5%の大幅減少となり、6年連続の前年度比減少であった。1万件割れは2006年度(9572件)以来で、8年ぶり。特に減少が目立ったのは建設業(1800件)で、前年度と比べ17.6%、件数にして384件の大幅減少である。東日本大震災からの復興需要、政権交代後の公共工事増加、消費税率引き上げ前の駆け込み需要などが、建設業の倒産減少に寄与しているとみられる。また、輸出関連の大手メーカーの業績回復を背景として、下請けメーカーなど中小規模の製造業者も恩恵を受けたことから、製造業の倒産件数(1210件)も前年度比16.4%の大幅減少となっている。

しかし、近時では資材価格高騰、労務費高騰が建設業者の収益に大きな影響を与えている。それに加え、地方の建設業者の拠り所となっている公共工事も、公共工事前払金保証実績が2014年7〜9月、10〜12月と2期連続で前年同期を下回り(東日本建設業保証公表)、一時の勢いを感じられなくなっているのも現実だ。今年の春闘において大手企業が大幅な賃上げを回答するなど個人の所得環境は改善する見込みだが、前述の通り、生活必需品の値上がりは続く。また、2014年度の「円安関連倒産」は前年度の2.2倍となったことにも注目である。

中小企業の経営環境を見渡せば、こうした不安要素がいまだ多い。これらを踏まえると、2015年度の企業倒産件数は、現在の減少トレンドを継続しながらも、建設需要、個人消費マインド、為替相場に大きく左右されつつ、一進一退を繰り返すと想定される。

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