倒産集計

2014年 4月報

倒産件数は858件、9ヵ月連続の前年同月比減少
負債総額は1429億5600万円、3ヵ月連続の前年同月比減少

倒産件数 858件
前年同月比 ▲5.3%
前年同月 906件
前月比 +15.3%
前月 744件
負債総額 1429億5600万円
前年同月比 ▲78.9%
前年同月 6779億7300万円
前月比 +27.7%
前月 1119億6000万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

ポイント件数は9ヵ月連続の前年同月比減少、負債総額は4月としては2000年以降最小

倒産件数は858件で、前年同月に比べ5.3%減少し、9ヵ月連続で前年同月を下回った。負債総額は1429億5600万円で、前年同月比78.9%の減少となり、4月としては2000年以降で最小を記録した。

要因・背景

件数…建設業が前年同月比18.4%の大幅減少で全体の倒産件数減少に大きく寄与

負債総額…負債100億円以上の大型倒産が発生せず、同10億円以上も29件にとどまる

■業種別

ポイント7業種中4業種で前年同月比減少

業種別に見ると、7業種中4業種で前年同月を下回り、なかでも建設業(168件、前年同月比18.4%減)は19ヵ月連続の前年同月比減少となった。また、卸売業(122件、同14.1%減)、不動産業(23件、同11.5%減)でも前年同月比2ケタの大幅減少となった。一方、小売業(185件、同2.8%増)など3業種では前年同月を上回った。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」の構成比83.4%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は716件(前月618件、前年同月734件)となった。構成比は83.4%(前月83.1%、前年同月81.0%)で、前月を0.3ポイント、前年同月を2.4ポイント上回った。

要因・背景

倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比54.8%

負債額別に見ると、負債5000万円未満の倒産は470件で、前年同月比3.1%減少したものの、構成比は54.8%と、18ヵ月連続で過半数を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は3ヵ月連続で発生しなかった。資本金別に見ると、個人経営と資本金1000万円未満の合計は503件、構成比は58.6%を占めた。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中4地域で前年同月比減少

地域別に見ると、9地域中4地域で前年同月を下回った。なかでも、中部(116件、前年同月比17.1%減)で大幅な減少となったほか、関東(316件、同11.0%減)でも前年同月比で2ケタの減少となった。一方、北陸(39件)と中国(36件)、東北(33件)の3地域では前年同月比増加となった。

要因・背景

■上場企業倒産

8ヵ月連続で、上場企業の倒産は発生しなかった。

2014年は上場企業の倒産が発生しておらず、2013年に引き続いて沈静化の傾向が顕著となっている。

■大型倒産

負債トップは、アールインベストメントアンドデザイン(株)(東京都、破産)の82億2000万円。(株)加名市(愛知県、破産)の39億3300万円、(株)コースタルオアシス松任(石川県、破産)の38億2000万円が続く。

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは46.8、消費税増税で過去最大の落ち込み

2014年4月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、前月比4.2ポイント減の46.8となり、リーマン・ショックの影響が広がった2008年12月(4.1ポイント減)を上回り、過去最大の落ち込みとなった。

昨年から3月にかけて積み上がっていた駆け込み需要が一気に剥落した。特に、『小売』は家具、自動車、家電などが軒並み悪化したほか、3月に駆け込み需要が集中した日用品やスーパー・百貨店なども大きく悪化した。また、『運輸・倉庫』はドライバー不足に加えて、ガソリンや軽油に対する環境税の増税、高速道路の割引率縮小・廃止など消費税以外の負担増加も悪化に拍車をかけた。『建設』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』が過去最大の下落を記録するなど、駆け込み需要の反動減が幅広い業界に現れたことで10業界中9業界が悪化した。

10地域中5地域で過去最大の悪化、8ヵ月ぶりに全地域で50を下回る

地域別では10地域中5地域が過去最大の悪化となった。特に、基幹産業の自動車関連で消費税増税の影響を大きく受けた『東海』や、人手が不足している建設業で人件費上昇により利幅の縮小がみられ悪化が目立った『四国』など、8ヵ月ぶりに全地域で50を下回った。国内景気は業界・企業規模・地域にかかわらず広範囲にわたって落ち込んだ。ただし、今後の景気は反動減からの回復が9月頃までずれ込むものの、中小企業の生産活動は底堅く設備投資意欲も衰えていないため、半年以内に落ち着きを取り戻し、緩やかに上昇していくとみられる。

今後の見通し

■建設業の倒産件数は、19ヵ月連続の前年同月割れ

金融庁は、4月11日、金融機関関係団体等に対し「平成25年度補正予算、平成26年度予算の早期実施に伴う金融の円滑化について」要請を行った。公共工事等の前倒し実施にあたって、必要となるつなぎ資金や、人件費・資材費の運転資金需要に対し、新規融資を含む積極的な資金供給等の支援に取り組むように求めている。もちろん、“借り手企業の状況に応じて適切な対応”となるが、労務費や原材料費の高騰に悩む建設業界にとってはかなりの追い風となろう。建設業の倒産件数をみれば、4月は168件で前年同月(206件)を大きく下回った(前年同月比18.4%減)。これで、2012年10月(213件)以降19ヵ月連続で前年同月比減少を記録。政府の施策もあり、現在の旺盛な公共工事需要は少なくとも2014年度前半は続くとみられ、建設業の倒産件数は今しばらく低水準で推移するであろう。

■消費マインド低下、駆け込み需要の反動減で、小売業の倒産増加を警戒

4月1日の消費税率引き上げを前に、想定通り小売業者の売上は増加した。3月のチェーンストア販売額は、税率引き上げ前の駆け込み需要が発生したことで、前年同月比9.4%の増加(既存店ベース)となり、2ヵ月連続で前年同月比増加となった(日本チェーンストア協会)。今後、この反動減や、消費マインドの低下が想定されていることに加え、顧客離れを懸念した値引きセールによる消耗戦に突入する可能性もあり、小売業の倒産増加が警戒されている。

公正取引委員会は、4月23日、消費税転嫁対策特別措置法の規定に違反する行為があったとして、大規模小売事業者に対し、初めて社名を公表したうえでの勧告を行った。公正取引委員会では、消費税率引き上げに伴う消費税転嫁を円滑に進めるため、各地での説明会などを積極的に開催したほか、転嫁拒否行為に対処するために「転嫁拒否行為に対する調査」も行ってきた。その効果もあり、例えば“買いたたき”は、税率引き上げ前までに940件判明し改善指導を行っている。それでも、税率引き上げ後の売上減少を防ごうとして規定に違反する企業が後を絶たない。

消費税率引き上げの影響を最も受けるであろう小売業の4月の倒産件数は、185件(前年同月比2.8%増)となり、3ヵ月連続の前年同月比増加を記録した。なかでも、「飲食料品小売業」は前年同月比45.8%増の35件、「織物・衣服・身の回り品小売業」は同44.4%増の26件と、日用品販売業種での倒産増加が目立っている。駆け込み需要が発生しているなかでも倒産が増加している背景としては、デフレ経済のあおりを受けた商品の低価格化進行や、原材料価格高騰による収益性の悪化の影響が大きいことがあげられる。

■2014年度の企業倒産は、業種により明暗が分かれる

2014年4月の企業倒産件数は858件で、前月(744件)を15.3%上回ったものの、前年同月(906件)を5.3%下回り、9ヵ月連続の前年同月比減少となった。全体の倒産件数は減少傾向を示しているが、業種間での好不調、そして倒産件数の増減傾向がはっきりと分かれてきており、その傾向が今後も続きそうである。建設業と小売業については前述の通りだが、そのほかでも、軽油価格の高止まりにより収益性悪化が著しく、厳しい状況にある運輸業の倒産件数(45件)が前年同月比28.6%の大幅増加を記録するなど、業界環境を倒産件数が如実に表していると言えよう。また、倒産件数こそ増加していないが、製造業は、公正取引委員会による消費税転嫁拒否行為に対する指導数が他業種に比べ圧倒的に多い(489件、構成比40.8%)など、消費税率引き上げの影響が大きいとみられる。2013年度は全体的に減少傾向を示した企業倒産件数だが、消費税率引き上げの影響度合いが業種によってまだら模様なため、倒産件数については業種間で明暗が分かれるであろう。加えて、目先好調とみられる建設業にさえ、今後の財政出動の規模次第という危うさがあることを加味すれば、倒産件数が増加に転じる可能性を否定することはできない。

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