倒産集計

2014年 1月報

倒産件数は809件、6ヵ月連続の前年同月比減少 負債総額は3016億9600万円、4ヵ月ぶりの前年同月比増加

倒産件数 809件
前年同月比 ▲5.3%
前年同月 854件
前月比 +11.4%
前月 726件
負債総額 3016億9600万円
前年同月比 +31.5%
前年同月 2294億7600万円
前月比 +71.6%
前月 1757億9500万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

ポイント件数は6ヵ月連続の前年同月比減少

倒産件数は809件で、前年同月を5.3%下回り、6ヵ月連続の前年同月比減少となった。6ヵ月以上連続の倒産件数減少は、2010年12月(16ヵ月連続)以来37ヵ月ぶり。負債総額は3016億9600万円で、前年同月を31.5%上回り、4ヵ月ぶりの前年同月比増加となった。

要因・背景

件数…公共工事の増加や個人消費の回復で建設業と小売業の2業種が前年同月比大幅減少
負債総額…エヌ・エス・アール(株)の負債1650億円が全体を大きく押し上げた

■業種別

ポイント7業種中4業種で前年同月比減少

業種別に見ると、7業種中4業種で前年同月を下回った。なかでも、建設業(168件、前年同月比12.0%減)は16ヵ月連続の前年同月比減少となったほか、小売業(150件、同13.3%減)でも前年同月比で2ケタの大幅な減少となった。一方、サービス業(168件、同6.3%増)など2業種では前年同月を上回った。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」の構成比84.1%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は680件(前月601件、前年同月686件)となった。構成比は84.1%(前月82.8%、前年同月80.3%)で、前月を1.3ポイント、前年同月を3.8ポイント上回った。

要因・背景

■倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、 業界不振を「不況型倒産」として集計

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比56.6%

負債額別に見ると、規模別では、負債5000万円以上1億円未満(104件、前年同月比27.8%減)が大幅に減少した一方、同5000万円未満の倒産は458件で、前年同月比1.6%増加した。一方、負債100億円以上の大型倒産は2ヵ月連続で2件発生した。資本金別に見ると、個人経営と資本金1000万円未満の合計は465件、構成比は57.5%を占めた。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中3地域で前年同月比減少

地域別に見ると、9地域中3地域で前年同月を下回った。関東(255件、前年同月比28.6%減)と北陸(21件、同40.0%減)、四国(11件、同15.4%減)はいずれも2ケタの前年同月比減少。一方、北海道(28件)、東北(34件)、近畿(234件)、中国(38件)、九州(66件)では2ケタの前年同月比増加となった。

要因・背景

■上場企業倒産

5ヵ月連続で、上場企業の倒産は発生しなかった。
2013年度の上場企業倒産の累計は2件にとどまっており、前年度を下回るペースでの推移となっている。

■大型倒産

負債トップは、エヌ・エス・アール(株)(東京都、破産)の1650億円。クロスシード(株)(東京都、破産)の153億2400万円、紀泉開発(株)(和歌山、民事再生法)の45億円が続く。
負債1000億円以上の超大型倒産が7ヵ月ぶりに発生した。

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは50.0、調査開始以来初めて50台に達する

2014年1月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、前月比0.5ポイント増の50.0となり、2002年5月の調査開始以来、初めて判断の分かれ目となる50台に達した。

米国の金融緩和縮小により新興国の株価や為替に影響を与えたことで世界的に金融市場が混乱する場面もみられたが、国内では新型車の投入で新車販売が好調だった『小売』のほか、企業による不動産投資の活発化や今後のインフレを予想する個人の投資物件購入が堅調に推移した『不動産』、ソフトウェア開発や建機リースの活況が続く『サービス』など、消費関連業界が好調に推移した。

『小売』や『サービス』など消費関連がけん引役となり上昇基調を持続

規模別では「大企業」「中小企業」「小規模企業」ともに7ヵ月連続で改善し、全規模で過去最高を更新した。また、「大企業」「小規模企業」では『不動産』『小売』『サービス』の改善幅が大きく、企業規模にかかわらず消費関連業界が全体をけん引した。地域別にみると、10地域中7地域で50台となり、6地域が過去最高を更新した。特に、『中国』『四国』『九州』など地方圏での改善が目立った。また、暖房エアコンの販売好調や公共工事の増大、製造関連が好調で3ヵ月連続で全国第1位となった「石川」を含む『北陸』が10地域中第1位となった。『小売』や『サービス』など消費関連がけん引役となり、上昇基調を持続している。

今後の見通し

■倒産件数は6ヵ月連続で前年同月割れ

2014年1月の企業倒産は809件となり、2013年最少となった前月(726件)を11.4%上回ったものの、前年同月(854件)を5.3%下回り、6ヵ月連続の前年同月比減少となった。2013年度としては、前月、2013年8月に次ぐ3番目の少なさであり、倒産件数の減少傾向は続いている。

一方、負債総額は3016億9600万円となり、前月(1757億9500万円)を71.6%、前年同月(2294億7600万円)を31.5%ともに上回った。前月比と前年同月比がともにプラスとなったのは、2013年9月以来、4ヵ月ぶりである。しかし、これは、1月31日に宅地造成販売を行っていたエヌ・エス・アール(東京都)が、負債1650億円を抱え破産手続き開始決定を受けたことで、負債総額が膨れあがったことに起因している。負債10億円以上の大型倒産の件数で比較すれば、1月が26件であるのに対し、前月は31件、前年同月は35件となっており、依然として倒産の小型化傾向が続いていると言える。

■建設業界では、資材・人件費増大を一因とした倒産が続発

復興関連需要に加え、公共工事の発注拡大、さらには住宅建築の増加により、建設業の倒産は減少している。1月の倒産件数は前年同月(191件)と比べ12.0%減少し、168件となった。これにより、2012年10月以降、16ヵ月連続の前年同月割れである。当面、この倒産減少傾向は続く見込みであるが、ここにきて需要急増に伴う資材費高騰や人件費増大を一因とする建設業者の倒産が発生していることには、注目しなければならない。

「人手不足に対する企業の意識調査」(帝国データバンク1月20日公表)のなかでも、建設業者の59.7%が「人手不足の状態にある」と回答している通り、現在、建設業界は人員不足状態に陥っている。その結果、工期遅れや人件費高騰が発生し、工事の採算悪化に繋がっている。宮城県のケイセイエンジニアリング(給排水・衛生設備工事)は震災後に受注した工事が資材費・人件費高騰により1億円超の採算割れとなり資金繰りが悪化したことで破産。東京都のダイヤ設備工業(管工事)も、人件費や外注加工費の高騰で決済難に陥った。こうした事例は、被災地とその周辺地域だけに留まらない。福岡県のフレッシュ(建築基礎工事)は、九州地方を中心として営業活動していたが、全国的な資材費・人件費高騰のあおりを受け資金繰りがひっ迫、民事再生法の適用を申請した。深刻な人手不足と資材コストの高騰は、特に体力の弱い下請け業者の資金繰りに影響を与えており、建設業界における大きな問題となっている。

■2013年度の企業倒産件数は前年度割れの見込み

2013年4月から2014年1月までの企業倒産件数は、累計で8593件となった。この1ヵ月あたり850件程度のペースで今後も推移すると、2013年度(2013年4月〜2014年3月)は1万300件前後となる見込みで、前年度の1万710件を大きく下回る可能性が高い。ただし、「全国企業の財務分析(2012年度)」(帝国データバンク12月9日公表)で明らかになったように、中小企業の収益性は徐々に改善しているものの、借入金依存度は依然として高水準、財務面では債務超過状態が続いているという中小企業の実態がある。建設業など、業界環境の好転のもと倒産件数が減少している業種がある一方で、運輸業者、アパレル・繊維関連、食品関連など、為替の急変動、原材料高の影響を受け依然として厳しい業種も多い。地域別にみても、減少傾向が続いていた北海道が、前月比、前年同月比ともに大幅な増加に転じるなど、トレンド変化の兆しも見て取れる。今後も、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減や、金融機関のスタンスの変化など不安材料は山積しており、倒産増加懸念が払拭できない状況は続く。

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