レポート株式会社マングローブ

2015/11/11

TDB企業コード:222004763 東京都杉並区 TVアニメ「サムライチャンプルー」を手がけたアニメ制作会社 破産手続き開始決定受ける 負債5億4446万円

「東京」 既報、(株)マングローブ(資本金1000万円、杉並区井草1-2-10、代表小林真一郎氏)は、11月4日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は安藤信彦弁護士(千代田区永田町2-14-3、安藤総合法律事務所、電話03-3597-7700)。債権届け出期間は12月9日までで、財産状況報告集会期日は2016年2月1日午後2時。

 当社は、2002年(平成14年)2月に設立されたアニメ制作会社。原作者や著作権者からの打ち合わせに始まり、作業工程の企画・立案、アニメーターの招集など、アニメ制作に関わる一切の業務を手がけていた。アニメは他社が使用権を有するものが大半で、自社作品の制作も積極的に行っていた。代表の小林氏は、「機動戦士ガンダム」シリーズで著名なアニメ制作会社で制作責任者を務めた人物で、業界内で相応の知名度を有していた。アニメーターを正社員とせず契約社員とすることで諸経費を軽くするほか、新陳代謝を図り、作品毎のマンネリ化を防ぐなど当時の知識と経験を生かした運営が行われていた。

 自社作品としては「サムライチャンプルー」「Ergo Proxy」「サムライフラメンコ」などのほか、他社が使用権を有する作品の近時の制作実績としては「神のみぞ知るセカイ」「ハヤテのごとく!」などを担当。とくに自社作品のTVアニメ「サムライチャンプルー」は、2004年にフジテレビ系列の深夜枠で放送された作品で、日本だけでなく海外でも放送されるなど幅広い人気を集め当社の代表作となっていた。クオリティーの高い作品づくりには定評があり、複数の大手企業から受注を得て、2013年10月期には年収入高約10億1700万円を計上していた。

 しかし従前から同業他社との競合が厳しく、ヒット作の有無によって業況が大きく左右される業界環境が続くなか、2014年10月期の年収入高は約4億6000万円と前期比半減以下にとどまっていた。今年に入ってからも業況は回復せず、ここに来て資金繰りはひっ迫。9月29日までに事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入っていた。

 申請時の負債は債権者約237名に対し約5億4446万円。