レポート株式会社四条富小路(旧:株式会社たち吉)

2015/07/17

TDB企業コード:500031074 京都府京都市下京区 創作陶器・ガラス器販売 特別清算を申請 負債28億7000万円

「京都」 (株)四条富小路(資本金8000万円、京都市下京区四条通富小路上ル立売東町17、代表清算人岡田高幸氏)は、7月15日に京都地裁へ特別清算を申請した。

 申請代理人は大川恒星弁護士(大阪府大阪市中央区北浜3-6-13日土地淀屋橋ビル、弁護士法人淀屋橋・山上合同、電話06-6202-3355)ほか3名。

 当社は、1752年(宝暦2年)に陶磁器などの小売りを目的に創業、明治中期に屋号を橘屋吉兵衛から「たち吉」に改称した後、1949年(昭和24年)5月に法人改組した。陶磁器販売業界では老舗として全国的に高い知名度を有しており、京都清水焼および岐阜・愛知方面の窯元に製造を委託していた。「たち吉」「青嵐」ブランドなどの多様な素材を用いたオリジナル食器を主体に、インテリア、エクステリア商品を販売。57年3月に東京に銀座店を開設したことを皮切りに、全国主要都市の百貨店にて「たち吉」の店名で店舗を展開。76年9月には130店舗に達し、ピーク時となる92年3月期には年売上高約271億4200万円を計上していた。2005年6月にはアウトレットモールへの出店を開始したほか、2006年3月には和雑貨の店「COTODECO(コトデコ)」の出店を開始するなど業容の拡大に努めていた。

 しかし、近年は景気低迷による消費の冷え込みの影響や安価な海外製品との競合といった内外環境の悪化に伴い売り上げが落ち込み、赤字決算を余儀なくされた。東日本大震災の影響が大きかった2012年3月期には年売上高約49億7500万円にまで減少、当期純損失約20億9700万円を計上したことで大幅な債務超過に転落していた。このため、2013年3月には旧本店不動産を売却、また役員報酬や人件費を中心に経費の削減に努めるなど経営の立て直しを図ったものの、業況に回復が見られず、2014年3月期には年売上高約46億3500万円に落ち込み、赤字決算となるなど厳しい運営を強いられていた。

 こうしたなか、2015年2月27日付で投資ファンド運営企業が当社の再生ならびに成長支援を目的とした投資を決定したことを発表。再建スキームのなかで、当社は、同社が設立した新会社に3月31日付で事業を譲渡し、同時に商号を(株)たち吉から現商号に変更。その後、5月19日に存続期間の満了により解散していた。

 負債は約28億7000万円。

 なお、事業譲渡を受けた新会社の(株)たち吉は、現在も通常通り営業を行っている。