レポート

株式会社黒川紀章建築都市設計事務所

2014/12/15

TDB企業コード:981044596 東京都港区 建築設計事務所 民事再生法の適用を申請 負債12億円

「東京」 (株)黒川紀章建築都市設計事務所(資本金1億円、港区赤坂9-5-14、代表黒川未来夫氏)は12月15日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は藤田浩司弁護士(中央区京橋1-2-5、奥野総合法律事務所・外国法共同事業、電話03-3274-3805)。監督委員には山崎和代弁護士(世田谷区北沢2-24-6、弁護士法人山崎和代法律事務所、電話03-3460-5125)が選任されている。

 当社は、1962年(昭和37年)4月に創業、68年(昭和43年)12月に法人改組した建築設計事務所。建築界のノーベル賞と言われるフランス建築アカデミーのゴールドメダルほか多くの賞を受賞し、国際的に著名な建築家・故黒川紀章氏が創業。同氏は、国立民族学博物館(大阪府)、国立文楽劇場(大阪府)、国立新美術館(東京都)などのほか、海外でもベルリン日独センター(ドイツ・ベルリン)やパシフィックタワー(フランス・パリ)など多くの著名な建築物の設計を手がけ、2005年6月期には年収入高約11億5400万円を計上していた。また建築関係以外でも新党を立ち上げ自ら党首となり、参議院選挙や都知事選挙に出馬するなど政治活動に積極的な姿勢を示していた。

 しかし、2007年10月に黒川紀章氏が死去。その後、長引く不況の影響などによる受注案件数の減少や設計料の回収不能が重なったことなどから財務が悪化し、法的手続きにより再建を図ることとなった。

 なお、同日付で日本工営(株)(東証1部、東京都)との間でスポンサー契約を締結し、近日中に当社の経営資源を同社が新たに設立する新会社に承継する予定。

 負債は約12億円。