レポート株式会社オルケス

2014/08/27

TDB企業コード:450007913 東京都中央区 婦人服卸・小売 民事再生法の適用を申請 負債60億8100万円

「東京」 (株)オルケス(資本金1億円、中央区日本橋本町1-9-4、旧代表=池内清和氏、新代表=中務茂夫氏)は、8月27日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は川井一将弁護士(千代田区丸の内2-3-2、03-6267-1241)ほか8名。

 当社は1948年(昭和23年)8月創業、53年(昭和28年)5月に法人改組した。当初は岐阜県に本社を構え、シンガポール(株)の商号で、量販店を中心に百貨店、アパレル向けなどに、OEM事業のほか自社ブランドによる婦人服の卸などを手がけ、2002年7月期には年売上高約194億4500万円を計上していた。

 しかし、関係会社だったゴルフ場経営企業が2003年に民事再生法の適用を申請したほか、関連企業に対する貸付金が重荷となっていたことなどから業績が悪化。その後はニチメン(株)〈現・双日(株)〉の傘下に入り、金融機関より80億円を超える債務免除を受けるなどして建て直しを図ってきたものの、世界的な金融危機や国内消費の低迷などの影響から思うように業績が回復せず、2011年1月期(2005年に決算期変更)の年売上高は約72億6400万円に減少、5期連続の欠損計上を余儀なくされていた。

 そうしたなか、2011年6月に事業再生コンサルタントの(株)MIT Corporate Advisory Servicesが当社の全株式を取得し、双日が持つ当社向け債権を譲り受けたうえで、デット・エクイティ・スワップを実施して大幅に財務を改善、黒字化にも成功していた。その後は、MIT社が設立した特定目的会社経由して、婦人服製造小売の(株)クレッジを2013年7月に吸収合併し、当社は(株)オルケスに商号を変更。旧・クレッジが手がけていた10代後半から20代の女性向けのブランド「LIP SERVICE」「JURIANOJURRIE」などを擁し、2014年1月期には年売上高約108億2100万円を計上していた。

 しかし、今年の春頃から小売り部門の拡大を目指すべく、支払いサイトの変更要請を行い手元資金の増強を図った結果、取引先からの警戒感を高まっていた。こうしたなか、今月に入り資金繰りのメドが立たなくなり、今回の措置となった。

 負債は2014年1月期末時点で約60億8100万円だが変動している可能性がある。

 なお、関係会社の(株)シンガポールファッション(資本金4500万円、新潟県魚沼市堀之内品袋50、代表中務茂夫氏)も、同様の措置となっている。同社は1971年(昭和46年)12月にシンガポール(株)と伊藤忠商事(株)(東証1部)の共同出資で設立され、婦人服ボトムの製造・保管および品質管理を手がけていた。