レポート株式会社ロータリーエアーサービス

2014/08/14

TDB企業コード:986012862 東京都新宿区 高速ツアーバスの企画・主催、一般旅行業 破産手続き開始決定受ける 負債31億3000万円

「東京」 (株)ロータリーエアーサービス(資本金9000万円、新宿区西新宿3-5-1、代表栗原麟太郎氏)と関係会社の(株)旅バス(資本金5000万円、同所、同代表)、ケーケーエアー(株)(資本金1000万円、同所、同代表)は、8月11日に東京地裁へ自己破産を申請し、同日に同地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は日高章弁護士。

 (株)ロータリーエアーサービスは、1975年(昭和50年)5月に旅行業を目的に設立。観光庁長官登録第一種旅行業者として、「ホープツアー」の名称で国内、海外旅行の企画・販売を展開。特に、全日本空輸(株)の特約代理店として、旅行会社向けに航空券のホールセールを主力に、99年3月期には年売上高約115億円を計上していた。

 しかし、各航空会社が直販体制を整えるなかで、販売手数料の低下から航空券販売を縮小。また、海外旅行の取り扱いも2011年3月期で撤退したことに伴い、2012年3月期の年売上高は約40億円にまで減少していた。このため、近年は「キラキラ号」の名称で、高速ツアーバスの企画・主催に注力していた(その後、制度変更に伴い2013年8月に新高速乗合バスに移行)。バスの運行に関しては、関係会社である(株)旅バス〈2005年(平成17年)7月設立〉に委託する形態で、関東地区と北海道を除く全国のエリアを結ぶ多数の路線の運行のほか、「キラキラパック」と称したバスツアー、東京ディズニーリゾートツアー、ホテル・温泉パックツアーなどを手がけていた。

 この間、2012年4月に発生した関越自動車道での高速バスの運転事故の影響で客足が減少し、資金繰りが悪化するなか、同年6月25日には航空券の販売代理店契約を締結していたスカイマーク(株)から東京簡易裁判所に売掛金の未払いに関する支払督促の申し立てをされるなどトラブルが発生したことで動向が注目されていた。一方、(株)旅バスにおいては、取引先に対する支払い条件を変更するなど資金繰りが悪化していた。

 こうしたなか、2014年に入りさらなる資金繰りの悪化から差し押さえを受けるなどしていたため、再建を目指しグループとしてスポンサー交渉を進め、5月28日にはバス運行事業者へ同事業を承継することで基本合意したことを発表していた。その後、事業承継手続きを進め、7月末までに手続きが完了したことから、今回の措置となった。

 なお、ケーケーエアー(株)は94年4月に設立。旅行業務を手がけ、国内旅行ツアーの販売を手がけていたが、2社に連鎖する形となった。

 負債は、(株)ロータリーエアーサービスが債権者約150名に対し約18億1000万円、(株)旅バスが債権者約160名に対し約8億7000万円、ケーケーエアー(株)が債権者約25名に対し約4億5000万円で、3社合計で債権者約335名に対し約31億3000万円。