レポート株式会社三貴

2014/07/31

TDB企業コード:981128721 東京都台東区 宝石貴金属小売 「じゅわいよ・くちゅーるマキ」「ジュエリーマキ」運営 2度目となる民事再生法の適用を申請 負債120億円

「東京」 (株)三貴(資本金9000万円、台東区浅草橋5-25-10、代表木村和巨氏、従業員60名)は、7月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は金森仁弁護士(千代田区永田町2-14-2、電話03-3581-9491)。監督委員は川島英明弁護士(千代田区神田駿河台3-3、電話03-3296-1691)。

 当社の前身である旧・(株)三貴は、1965年(昭和40年)4月に設立された。「銀座じゅわいよ・くちゅーるマキ」「銀座ジュエリーマキ」の名称で宝飾品店を経営し、ピーク時の店舗数は計1200店(アパレル部門含む)を展開。TV等の広告戦略で急成長を遂げ、95年2月期には年売上高約1853億3300万円をあげるなど、国内最大手の宝石・貴金属小売業者として高い知名度を確立していたが、90年代後半から売り上げはジリ貧となり、店舗設備投資や過大な在庫負担からピーク時には約1500億円もの借入金を抱え厳しい業容となっていた。加えて、メーン銀行が経営破綻するなど金融環境も悪化したことから、金融債務を残して債権債務と営業権を現・(株)三貴<休眠状態だった(株)ルシュプールディアマンクチュールドマキから商号変更>に譲渡。資産売却などを経て、2002年10月に東京地裁より特別清算の開始決定を受けていた。

 事業を承継した当社は、「じゅわいよ・くちゅーるマキ」「ジュエリーマキ」など5つのブランドで店舗展開し、2004年2月期には年売上高約244億9400万円をあげていた。

 しかし、不採算店閉鎖や消費低迷に販売価格低下も加わり、2008年8月期(決算期変更)の年売上高は約205億3100万円に減少、景気の急減速に伴い売り上げ不振に歯止めがかからず、2009年1月21日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請。その後は自主再建を進め、2009年8月18日には再生計画の認可決定が確定し、2012年8月22日には認可決定後3年が経過し、東京地裁から再生手続き終結決定を受けていた。

 この間、不採算店舗の閉鎖を進めるなか、宝飾品の取り扱いに加え、健康食品の販売にも注力。業況改善に努めていたが、2013年8月期の年売上高は約44億9900万円に落ち込み、店舗閉鎖等に伴う特別損失計上から約8億6600万円の当期純損失を計上、大幅な債務超過に陥っていた。以降も余裕のない資金繰りが続くなか、今年5月にはさらに18店舗を閉鎖するなど、急速に業容を縮小。取引先への支払いにも支障をきたす事態となり、ここに来て支え切れず今回の措置となった。

 負債は約120億円。