レポート株式会社アルファ通信

2014/06/11

TDB企業コード:988346356 東京都中野区 通信機器レンタル、各種測定装置開発・販売 破産手続き開始決定受ける 負債30億3000万円

「東京」 (株)アルファ通信(資本金2億円、中野区弥生町2-6-10、代表豊田勝則氏)は、2月24日に債権者より東京地裁へ破産を申し立てられ、6月2日に破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は北川秀二弁護士(東京都千代田区平河町1-2-2、電話03-3239-7175)。債権届け出期間は7月7日までで、財産状況報告集会期日は10月20日午前10時。

 当社は、1981年(昭和56年)1月創業、82年(昭和57年)5月に法人改組した。85年にNTTと特約店契約を結び、各種電話機と周辺装置、構内放送システム、カメラ監視警備システム、パソコン・ファックスなどのOA機器類のレンタル、付随する通信工事などを手がけて業績を拡大。そのほか、近年では騒音・振動測定公開システム「円満工事」や緊急通報システム「じしんたすけ」などの開発・販売にも注力し、2007年4月期には年収入高約32億8500万円をあげていた。

 以後は、建設業界不振の影響で受注が減少するなか、放射線測定装置「安全生活」の開発・販売を強化。その一環で2011年8月には文部科学省と「オンライン線量計」の発注について契約を結び、福島県内の学校や公園に設置する計画が進められる予定であったが、その後、文部科学省が同システムについて「測定値が正確でないなどとして改善を指示し、納入期限を延期したものの改善が間に合わなかった」などとして、同年11月に同契約の解除を通知。これを受けて当社は、「納入が遅れたのは大幅な仕様変更を求められたため」などとして、2012年6月に物品供給代3億7018万円の支払いを求める訴えを東京地裁へ起こすなど、経営環境は悪化。2013年4月期の年売上高は約5億6400万円にまで落ち込んでいた。

 負債は2013年4月期末時点で約30億3000万円。

 なお、当社は今回の件について即時抗告している。