レポート

株式会社武屋

2014/02/19

TDB企業コード:270430094 埼玉県戸田市 食肉加工卸 破産手続き開始決定受ける 負債30億円

「埼玉」 (株)武屋(資本金3000万円、戸田市氷川町2-15-6、登記面=蕨市南町3-14-11、代表武藤克人氏)は、2月5日にさいたま地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は堀之内幸雄弁護士(さいたま市浦和区高砂2-9-5、電話048-834-1206)。財産状況報告集会期日は5月27日午前10時。

 当社は、1985年(昭和60年)6月に設立。87年12月に事業内容を食肉卸に転換し、食肉の加工卸および加工食品の製造を手がけていた。食肉は国産牛が90%程度で山形牛、米沢牛、薩摩西郷牛、那須高原ハーブ牛などのブランド牛を扱い、牛枝肉などのブロックカット、スライスなどの一次加工を主とするほか、食肉のパックなども手がけていた。また、加工食品部門では、ローストビーフ、ハム・ソーセージ、ベーコン、チャーシューなどの製造・加工も行っていた。得意先は食品メーカー、食肉卸業者、外食産業を含む小売店などで、2004年11月期には年売上高約94億7800万円をあげていた。

 2007年11月には戸田市に工場(フードセンター)を開設。全室オゾン殺菌システムを導入し、最新設備を駆使して徹底した温度・湿度管理、衛生管理を実現、HACCP対応工場とすることで顧客からの品質・安全面で高い要求に応えていた。

 しかし、近年は長引くデフレに伴う消費者の低価格志向や、消費低迷などの影響からブランド牛の流通が減少傾向で推移。この分を補うべく加工食品の扱いを増やすなどしていたが、近年発生した牛生肉の食中毒事件の影響もあり、2012年11月期は年売上高約53億円にとどまっていた。また損益面も減収に加え、フードセンターなどの設備投資に伴う借入金負担が重荷となり、赤字を余儀なくされていた。こうしたなか、本業を新たに設立した別会社に移管し、当社については債務整理を進めていた。

 負債は2012年11月期末時点で約30億円であるが、その後変動している可能性がある。

 なお、グループ会社の(株)タケヤ(資本金1000万円、横浜市鶴見区大黒町3-53、同代表)も同日、同地裁より破産手続き開始決定を受けている。