レポート

興起産業株式会社

2012/04/03

TDB企業コード:470112943 三重県津市 元ゴルフ場経営 自己破産を申請 負債260億円

「三重」 興起産業(株)(資本金4000万円、津市美杉町竹原4095、登記面=津市白山町南家城1302-1、代表藤村泰夫氏)は、2月29日に名古屋地裁へ自己破産を申請していたことが判明した。

 申請代理人は村田武茂弁護士(愛知県名古屋市中村区名駅4-17-3、電話052-561-1785)。

 当社は、1984年(昭和59年)3月に設立されたゴルフ場運営業者。大手食肉卸売業者の(株)フジチク(名古屋市)が母体となり、同社代表取締役社長の藤村芳治氏が当社代表を兼任、三重県津市に「ザ・サードプレースカントリークラブ雲出川コース」として95年5月にオープンした。同コースは著名なペリー・O・ダイ氏が設計を担当し、宿泊客に対応するコテージも併設していた。

 しかし、コースは津市美杉地区(旧・一志郡美杉村)の山間部に所在することから、冬季においては降雪の影響を受け、営業不能となるシーズンも多く、運営当初より売り上げは低迷していた。

 こうしたなか、母体の(株)フジチク代表・藤村芳治氏がBSE問題に端を発する国産牛買い上げ制度を悪用し、不正受給を受けていたとして、2010年10月、最高裁にて懲役8年・罰金3億円の判決が確定するなど、同グループの信用は大きく毀損される事態となっていた。

 開業時の開発資金となった金融債務は約200億円と金利負担は重く、会員約500名からの預託金は約50億円を有し、償還のメドがつかない状態が続いていた。その後も、津市など地元自治体への租税滞納により差押えを受けていたほか、設備工事業者など取引各社への支払いも遅延するなど、先行きが注目されていた。

 負債は約260億円。

 なお、同ゴルフ場の運営は2009年1月から別法人に委託している。