レポート山水電気株式会社

2012/04/02

TDB企業コード:985840202 東京都渋谷区 音響、映像機器製造 東証1部上場 民事再生法の適用を申請 負債2億4765万円

「東京」 東証1部上場の元・音響、映像機器メーカー、山水電気(株)(資本金53億8215万8621円、渋谷区東2-23-3、代表室越隆氏ほか2名)は、4月2日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は、原口薫弁護士(港区赤坂1-9-15、電話03-5114-8568)ほか3名。

 当社は、1944年(昭和19年)に創業され、47年(昭和22年)6月に法人改組された高級音響機器及び映像機器の専業メーカー。61年12月には東証2部へ、70年3月には東証、大証1部へそれぞれ上場を果たし、84年10月期には年売上高約525億5200万円を計上していた。

 かつて、高級アンプ「SANSUI」として世界的なブランドを確立。また、世界的なスピーカー、JBL(米)の日本総代理店ともなっていた。しかし、製品開発、生産体制などの立ち後れから、80年頃より経営危機が表面化するようになり、89年10月には英国ポリー・ペック・インターナショナル社の傘下に入り、再建を目指していた。

 しかし、翌年同社が経営破綻したため、支援会社を模索。その後も、紆余曲折を経て、香港のグランデ・グループと91年9月から関係を結び、2001年11月28日から実質的にグランデ・グループの傘下となっていた。同グループの傘下に入ってからは、財政的、人的な支援を受けて財務面は改善したが、営業損益段階での欠損計上が続いていたため、監査法人からは継続企業の前提に関する重要な疑義が注記されていた。

 こうしたなか、2010年12月期より、音響、映像機器事業を休止するなど事業規模を縮小し、再建を目指していたものの、グループの中枢をなす親会社のザ・グランデ・ホールディングズ・リミテッド(香港)が2011年5月11日付で香港高等裁判所により、暫定清算人が任命されて、事実上の倒産状態となった。このため親会社からの資金支援が困難となったほか、グランデ・グループに対する債権の取立不能又は取立遅延の恐れが生じたことによる貸倒引当金繰入額54億8624万円を特損計上し、債務超過に転落していた。

 その後も、別途、ザ・グランデ・ホールディングズ・リミテッド(香港)の親会社グループからの融資や別の手段による外部機関からの資金調達を模索したものの、契約に至らず、2011年12月期の計算書類に対する監査法人からの意見表明も受領できぬほか、定時株主総会も延期していた。

 負債は2011年12月31日時点で約2億4765万円。

 今年に入って上場企業の倒産はエルピーダメモリ(株)(東京都、2月、会社更生法)に次いで2社目。