レポートネクスネット株式会社

2012/01/11

TDB企業コード:986834685 東京都品川区 移動通信業 旧・モトローラ(日本法人)の子会社 特別清算開始決定受ける 負債124億円

「東京」 ネクスネット(株)(資本金3億6750万円、品川区東品川4-10-27、代表清算人阿部信一郎氏)は、12月22日に東京地裁へ特別清算を申請、同月26日に特別清算開始決定を受けた。

 当社は、1997年(平成9年)4月に設立された業務用移動体デジタル通信サービスの提供・保守・管理会社。旧・モトローラ(株)(現:モトローラ・ソリューションズ(株))が設立した(財)日本移動通信システム協会(JAMTA)から、無線、一般電話、メッセージ通信のグループ通信が1台の端末で可能な法人向けの超広域通信システム「NEXNET」の運営管理を受託。当初は業務用無線機の販売事業も行っていた。

 しかし、同事業は莫大な設備投資資金を要するほか、サービスエリアに進展が見られず不採算の運営が続いていた。そのため、2001年5月に東京地裁へ民事再生法の適用を申請。しかし、同年6月には再生計画案の作成見込みがないなどの理由で、再生手続きを棄却されていた。
その後、モトローラが当社株式を買い取り、存続させることとなり、低採算の要因となっていた業務用無線機販売事業を他社へ移管するほか、基地局の大幅な圧縮、人員削減などを実施。2008年12月期に30億円近くに達していた年収入高は、一連のリストラによって2010年12月期には約9億6000万円にまで減少したものの、採算性は確保し一応の成果を見せていた。

 だが、初期の積極投資による累積損失は依然として解消の見込みが立たず、加えて監督官庁である総務省の周波数割当方針変更により、当社に割り当てられていた周波数帯域が2014年3月に使用期限が切れることとなった。そのため、2011年11月1日付で当社事業を親会社のモトローラ・ソリューションズ(株)に移管し、11月30日開催の株主総会で解散を決議、今回の措置となった。

 負債は債権者約1名に対し約124億円。