レポート

水谷建設株式会社

2012/01/05

TDB企業コード:460019382 三重県桑名市 地場大手の土木工事業者 続報 更生手続き開始決定受ける 負債353億円

「三重」 既報、2011年12月1日に前代表の水谷紀夫氏から大阪地裁へ会社更生法を申し立てられ、同日保全管理命令を受けていた水谷建設(株)(資本金1億4550万円、三重県桑名市蛎塚新田328、代表水谷正之氏、従業員388名)は、12月31日に大阪地裁から更生手続き開始決定を受けた。

 更生管財人は、天野勝介弁護士(大阪市中央区北浜1-8-16、電話06-6202-1099)。

 当社は、1946年(昭和21年)5月に創業、60年(昭和35年)12月に法人改組した土木工事業者。大手ゼネコンからの下請けを主体としてダム、空港、高速道路工事など所有する大型重機を用いた土木工事を得意とし、2003年8月期には年売上高約453億7800万円を計上していた。しかし、2006年には元会長の水谷功氏が法人税法違反(脱税)で逮捕される事態が発生、対外信用が大きく低下していた。

 近年は公共事業が削減されるなかリストラにも着手していたが、この間に小沢一郎元民主党代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡る資金のやりとりが裁判で明らかにされたほか、東日本大震災後は被災した福島第一原子力発電所内への土砂搬入事業をゼネコンからの下請けで受注していたが、2011年8月期の年売上高は約187億2600万円にまでダウン、約2億4600万円の最終赤字となっていた。

 こうしたなか、2011年8月に前代表の水谷紀夫氏を含む6名の取締役が解任され、紀夫氏の甥で専務取締役であった水谷正之氏が代表に就任する一族間の問題も表面化。12月1日には前代表から大阪地裁へ会社更生法を申し立てられ、12月7日に会社側(現経営陣)が大阪高裁へ保全管理命令の取り消しを求める即時抗告を申請していたが、2011年12月27日に同高裁より棄却されていた。

 負債は債権者約500名に対して約353億円。