レポート株式会社マリン総合開発

2011/12/29

TDB企業コード:150099381 秋田県男鹿市 元・観光ホテル経営 東日本大震災関連 特別清算を申請 負債29億8900万円

「秋田」 (株)マリン総合開発(旧・(株)セイコー観光、資本金2000万円、男鹿市北浦湯本草木原50-1、代表清算人天野良彦氏)は12月26日に秋田地裁へ特別清算を申請した。関係会社の(株)オガカン(旧・(株)男鹿観光リゾート、資本金1000万円、男鹿市北浦湯本草木原21、代表清算人同氏)も12月13日に同様の申請を行っている。

 (株)マリン総合開発は、1964年(昭和39年)12月にセイコー観光(資)の商号で設立、66年10月に「セイコーグランドホテル」を新築し、2000年4月には「男鹿ホテル」を買収した。また、(株)男鹿観光リゾートが「男鹿観光ホテル」を買収して、グループ全体で総客室数210室以上となる3つの観光ホテルを運営し、2社合計の年収入高は約15億円に達する地元業界で最大手の業者となった。

 しかし、買収に多額の資金を投じたものの景気の悪化や観光客が減少などから、赤字経営に陥り苦戦を余儀なくされてきた。このため2003年2月には新たに関係会社として(株)SKOを設立し、食材などの共同仕入や予約業務、人事管理の一元化を図り経営効率を高める対策をとってきた。2007年12月期には国体開催の特需から年収入高約8億4300万円を計上するなど回復傾向を示していたが、ガソリン価格の高騰や団体客の減少もあり、2010年12月期の年収入高は約6億6200万円にまで落ち込み債務超過額は15億円を超えていた。さらに東日本大震災の発生による予約客のキャンセルなども加わり経営状態が悪化し、2011年5月に会社分割の形で営業権を(株)SKOに譲渡、8月には商号を(株)マリン総合開発に変更して同月の株主総会決議により解散、清算手続に入っていた。

 (株)オガカンは、2001年(平成13年)11月に(株)男鹿観光リゾートの商号で設立。2007年12月期は年収入高約5億8800万円を計上していたが、収入高の減少から債務超過となっていた。同様に会社分割の形で(株)SKOに営業譲渡の後(株)オガカンへ商号変更し、8月の株主総会決議により解散、清算手続に入っていた。

 負債は、(株)マリン総合開発が約21億9300万円、(株)オガカンが約7億9600万円で合計約29億8900万円。営業譲渡前の2社の合計負債額は約41億円であったが、約11億5000万円の金融債務は(株)SKOが引き継いでいる。