レポートタカハシパール株式会社

2011/12/16

TDB企業コード:530204426 兵庫県神戸市中央区 真珠加工販売 事業停止、自己破産申請へ 負債25億円

「兵庫」 タカハシパール(株)(資本金5000万円、神戸市中央区山本通1-6-20、代表高橋英二氏ほか1名、従業員10名)は、12月15日までに事業を停止し、事後処理を佐柳秀樹弁護士(神戸市中央区明石町30、電話078-325-2183)ほか1名に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1921年(大正10年)創業、84年(昭和59年)1月に法人改組した真珠加工販売業者。神戸の地場産業である真珠業界を長年に渡って牽引し、あこや真珠の加工段階における漂白で独自方法を開発したことで経営基盤を構築。以降、あこや真珠の輸出が拡大して業界全体が隆盛するのに呼応して業績を伸長させ、96年2月期には年売上高約36億5000万円を計上していた。

 しかし、バブル経済崩壊以降の急激な消費の冷え込みにより真珠需要も下降の一途をたどり、2009年2月期の年売上高は約11億4200万円に落ち込み、大幅な赤字を余儀なくされていた。またこの間、不良債権が続発したこともあり資金繰りが徐々に悪化、財務面も著しく劣化したため、同年2月に中小企業再生支援協議会へ支援を要請し、メーンバンク主導の事業再建に取り組むこととなった。ところが、長引く景気低迷により宝飾品の国内需要は低調な推移に終始し、頼みの綱だった輸出についても欧米の景気後退と円高により回復せず、本店不動産を含む資産売却などのリストラ策を実施するも抜本的な経営改善にはつながらなかった。そのようななか、2011年2月期の年売上高は約10億5000万円にとどまり、3期連続で大幅な赤字を計上するなど業況に改善の兆しがなかったことから、同年10月頃に新たに私的整理のガイドラインに基づいて金融機関に債務放棄を要請、事業を新会社へ譲渡する再建スキームを提示したが、全行の合意が得られず頓挫したため、今回の事態となった。

 負債は現在調査中だが約25億円の見込み。

 なお、今年12月5日に(株)タカハシパール(資本金800万円、同所、代表森田佳子氏)を設立、15日に同社へ事業譲渡がなされているもよう。