レポートトクミ電子工業株式会社

2011/12/12

TDB企業コード:220032651 群馬県藤岡市 元・ヘッドフォン等の製造 特別清算開始決定受ける 負債43億6600万円

「群馬」 トクミ電子工業(株)(資本金4000万円、藤岡市鬼石918-1、代表清算人尾崎行正氏)は、12月1日に前橋地裁高崎支部より特別清算開始決定を受けた。

 当社は、1966年(昭和41年)4月に設立。80年代には携帯音楽プレーヤーのヘッドフォン製造を事業の軸として展開、ピーク時の91年12月期には年売上高約167億円、経常利益約1億4000万円を計上していた。また80年から98年まで連続して県内の高額所得法人に名を連ね、100名以上の従業員を抱えるなど、地元では有力企業として認知されていた。

 しかし、2000年頃から主力得意先の大手音響機器メーカーが生産拠点の海外移転を強化したため、受注環境が変化。当社はその対応に追われ、主力得意先からの受注分を海外子会社トクミエレクトロニクスフィリピン(後に清算、事業はトクミエレクトロニクスタイが承継)へ移管。さらに国内受注の縮小に対応するため、国内工場を売却するなどリストラを行い、2004年5月にヘッドフォン等の製造、2005年11月に金型製造、2006年4月には資材販売と、各分野から相次いで撤退。その後は海外子会社の管理、技術指導や業務代行のみの運営となった。

 事業縮小を余儀なくされるなかで、2007年12月期の年売上高は約3億3200万円に低下、利益面に関しても赤字決算を強いられたうえに、子会社(休眠中、北海道札幌市、日帰り温泉等の経営)に対する約35億円の貸付金が不良債権化し、資金繰りの負担となっていた。2007年後半には取引金融機関が債権をサービサーへ売却、新たな資金調達が困難な状況下で支え切れず、2008年12月12日に株主総会の決議により解散、不動産売却など清算手続きを進め、今回の措置となった。

 負債は金融債務を主体に約43億6600万円。