レポートU.F.O.株式会社

2011/10/27

TDB企業コード:582054569 東京都中央区 アパレル企画・製造・輸出入、OEM生産、中国ビジネスサポート 【続報】 再生手続き廃止決定受ける 負債454億円

「東京」 既報、2010年3月26日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同年11月24日に管理命令を受けていた、U.F.O.(株)(資本金8880万円、中央区京橋1-1-5、代表谷絹子氏)について、10月27日に管財人が大阪地裁へ民事再生手続き廃止の上申書を提出し、同日、同地裁より民事再生手続き廃止決定を受けた。

 また、保全管理命令を受け、管財人の森本宏弁護士(大阪市中央区北浜1-8-16、電話06-6202-9523)が保全管理人に選任されている。今後即時抗告等が行われない場合、職権での破産手続きに移行する見込み。
当社は、2002年(平成14年)2月にユーフォー(株)の商号で設立。1986年(昭和61年)5月に設立された婦人服卸売業(株)ファーストトレーディング(2002年3月ユー・エフ・オー(株)に商号変更、同年4月解散)の事業を継承すべく設立されたもので、2002年3月にユー・エフ・オー(株)、2007年2月に現商号に変更。

 上海・北京に複数のグループ拠点を有し、アパレル製品・雑貨の企画・製造・輸出入、相手先ブランドのOEM生産を中心に行い、2009年7月期には年売上高約895億4800万円を計上していた(管財人の調査により大幅に粉飾された数字と判明)。また、代表の谷絹子氏は、「中国ビジネス虎の巻」「中国ビジネス虎の巻2」の著者としても有名で、各種セミナー活動も行うなど、中国ビジネスの第一人者と称していた。

 しかし、事業拡大および独特の商流に多額の資金需要があるとして300億円超を金融機関から調達していたが、金融機関の融資姿勢硬化により資金繰りが悪化。そのため、2008年11月頃から返済が滞り、以降、財務内容の調査と再建計画策定に着手したが、2009年5月以降、複数の金融機関から貸付債権の返還請求権に基づく売掛金や所有不動産に対する仮差押を受けたほか、貸金返還請求訴訟や小切手金請求訴訟を提起されていた。その間、2010年1月7日に債権者の金融機関から大阪地裁に破産を申し立てられたことから、事業継続を企図し、民事再生法の適用を申請していた。その後、再生計画提出期限を4度延長し、2011年10月末日を提出期限としていたが、2011年10月3日に代表取締役の谷絹子氏と元取締役の谷誠氏が、監督委員に対して業務及び財産の状況に関し虚偽の報告を行ったとして、大阪地検特捜部に民事再生法違反の容疑で逮捕、同23日には詐欺容疑で再逮捕されたことから再生計画案提出を断念した。

 負債は、金融機関からの金融債務約326億円、保証債務約67億円に、再生手続き開始決定前までの遅延損害金を加えた約454億円。

 なお、開始決定後の遅延損害金を加えると負債は500億円超となる見通し。