レポート株式会社アサヒグラフィックス

2011/07/29

TDB企業コード:400626833 愛知県名古屋市守山区 印刷 民事再生法の適用を申請 負債47億4800万円

「愛知」 (株)アサヒグラフィックス(資本金1億2700万円、名古屋市守山区下志段味池田810、代表鈴木正博氏、従業員95名)は、7月27日に名古屋地裁へ民事再生法の適用を申請し、28日に保全処分決定および監督命令を受けた。

 申請代理人は、上野泰好弁護士(名古屋市中区栄2-11-7、電話052-253-5607)。監督委員は、渥美裕資弁護士(名古屋市中区丸の内3-19-1、電話052-961-8670)。

 当社は、1989年(平成元年)10月に設立された冊子類やチラシ関連を主体に製本印刷や特殊加工などを扱うオフセット・輪転印刷業者。本社に加え、岐阜県瑞浪市に2カ所の工場を設置するほか、東京、山梨、岐阜に営業所も開設、大手印刷業者などからの受注を得て2007年3月期には年売上高約44億3000万円を計上していた。

 しかし、その後は不況の影響や不採算な案件を多く受注したことから業績は低迷し、2011年3月期の年売上高は約35億700万円にとどまっていた。さらに、多額の特別損失を計上したことなどから約1億1900万円の当期純損失を計上し債務超過に陥るなど、財務面はぜい弱化。この間、一部の取引先から債権譲渡登記を設定されるなど信用不安が高まっていた。

 また、2011年3月には、事業を停止した太閤印刷(株)(あま市、負債約4億5000万円)に対して約1000万円の焦げ付きが発生するなど不良債権も散発。過去の設備投資による借入負担も過大となっていた。

 金融機関に対して返済条件の変更を要請するほか、人件費や経費の削減等で収益面の改善に努めたものの業績は回復せず、資金繰りが限界に達したことから、今回の措置となった。

 負債は、2011年3月末時点で約47億4800万円だが流動的。