レポート株式会社三谷温泉ひがきホテルなど3社

2011/06/08

TDB企業コード:440063070 愛知県蒲郡市 温泉旅館経営 東日本大震災関連倒産 民事再生法の適用を申請 負債47億1600万円

「愛知」 (株)三谷温泉ひがきホテル(資本金4500万円、蒲郡市三谷町南山1-59、代表日垣信三氏、従業員51名)と関連会社の三谷温泉開発(株)(資本金2億1878万5000円、蒲郡市三谷町鳶欠14-4、同代表、従業員50名)、(株)ひがきグループ(資本金1000万円、蒲郡市三谷町南山1-21、同代表)は、6月7日に名古屋地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は幸村俊哉弁護士(東京都千代田区丸の内3-3-1、電話03-3213-1081)ほか3名。監督委員は佐藤浩史弁護士(名古屋市中区丸の内1-17-2、電話052-232-3731)。

 (株)三谷温泉ひがきホテルは、もともと三谷温泉で営業をしていた温泉旅館を買収し、1967年(昭和42年)4月に設立した。収容客数302名、客室総数69室の温泉旅館「ひがきホテル」を経営、新館や宴会棟などの新・増築を繰り返すほか、79年には「松風園」を営業する三谷温泉開発(株)を買収。91年以降は、両ホテルで単独の源泉を掘削するなどさらなる設備投資を推し進め、ピーク時の95年にはグループ全体で約33億円の年収入高を計上していた。

 しかし、その後は不況の影響で社員旅行や宴会需要の低迷が続く一方、デフレ基調にともなう客単価の減少などにより業績は低調に推移していた。そのため、2005年2月に愛知県中小企業再生支援協議会に支援を申請し、金融機関と協議を続けながら再建策を検討していた。金融機関からの借入金の元本返済猶予を受けながら、インターネット経由での格安プラン実施等の各種営業施策により増客を目指したが、奏功せず(株)三谷温泉ひがきホテルの2010年8月期の年収入高は約6億3400万円に、三谷温泉開発(株)の2011年3月期の年収入高は約8億2100万円にとどまり、大幅な欠損を計上していた。

 こうしたなか、3月の東日本大震災の影響で集客が大幅に落ち込み、再建策の検討を継続することが困難と判断、今回の措置となった。

 三谷温泉開発(株)は、1955年(昭和30年)5月設立。(株)三谷温泉ひがきホテルの関連会社として「松風園」の営業を手がけていた。(株)ひがきグループは、1984年(昭和59年)1月設立。「ひがきホテル」と「松風園」の源泉管理を手がけていた。両社とも親会社に連鎖して今回の措置となった。

 負債は、(株)三谷温泉ひがきホテルが約20億6100万円、三谷温泉開発(株)が約21億8000万円、(株)ひがきグループが約4億7500万円で、3社合計約47億1600万円。

 なお、営業は継続している。